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2017年の小池都政

2017年1月3日 8:34
2017年の小池都政

 ■小池知事を待ち構える「予算編成」

 「都民ファースト」「都政大改革」を掲げる小池知事の都政運営は去年、大きな注目を浴びた。年明け早々、小池知事を待ち構える課題は「予算編成」。「予算編成」には知事の重点政策や小池カラーが反映される。

 今月5日からは予算要求に対する「知事査定」が始まり、今月下旬には「予算案」がまとめられる。知事にとって初の予算、実現への関門は都議会だ。予算の成立には2月中旬から始まる定例会での議決が必要だが、最大会派である自民党と小池知事は対立する場面がたびたび見られ、今年はさらに激化することが予想される。

 ■“山場”は都議会議員選挙

 その山場となるのが、7月22日の任期満了にともなう都議会議員選挙。小池知事は自らの政策を円滑に進めるため、都議会で仲間を増やしたい考えで、自らの政治塾「希望の塾」から候補者を擁立することにしている。

 小池知事「改革の仲間づくりについては、形はどうあれ、意欲のある方を後押ししていきたい。一番当選の確率が高いのはどなたなのか、その方はどういう人なのか、複数のファクターを併せ持って考える」

 また、先月、都議会公明党が長年連立を組んでいた自民党との決裂を宣言、そして、自民党の中からも3人が会派を離脱するなど選挙への動きが加速しており、小池知事はこうした勢力とも協力していく姿勢を示している。

 都議会の構図を大きく変えるかもしれない今回の選挙。選挙の結果は小池知事の都政運営に大きな影響を与えるだけに、注目される。

 ■東京五輪、豊洲への移転…課題は山積

 さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けては、会場見直しなどでストップしていた費用分担の決着が必要だ。「仮設施設」の2000億円の負担について、東京都以外で競技を開催する神奈川などの自治体は反発しており、小池知事は自治体の話を聞いた上で3月末までに結論を出したいとしている。

 また、豊洲市場への移転問題については、専門家会議などの提言をもとに、夏ごろには移転するのかしないのか、小池知事が判断することになる。

 都議会議員選挙が終われば、オリンピックまであと3年となり、準備は待ったなし。小池知事には、「都政改革」の実現とともに、立場や考えの違う相手とも緊密に連携しながら、市場の移転やオリンピックの準備などを円滑に進めることが求められる。