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「防災意識」向上願い 震災の記憶を伝承

2017年1月1日 12:48
「防災意識」向上願い 震災の記憶を伝承

 シリーズ“記憶”をつなぐ小さな展示館。日テレNEWS24では戦争、震災などの記憶を風化させない取り組みをシリーズで紹介している。

 震災で閉鎖を余儀なくされた千葉県旭市の国民宿舎。ホテルとして再生したその一角にこれまで2万人以上が訪れた小さな震災の資料館がある。

 千葉県旭市飯岡地区。海岸近くに建つ「いいおか潮騒ホテル」に併設されている「旭市防災資料館」。ホテルの一角にありながら、2014年7月の開館以来、この10月で来館者が2万人を超えた。実はこの建物、元は国民宿舎だった。津波被害で閉鎖を余儀なくされたが、民間運営の『ホテル』に生まれ変わった。

 旭市総務課地域安全班・椎名達也さん「震災にあった実物の資料等を展示することによりまして、実際に震災を風化させずに、目に見える形で保存いたしまして、防災教育の拠点とするべき施設となっています。この施設は被災しておりまして、津波によって多大な影響を受けました。その中で実際に被災した施設を使うことで、より印象つけられる効果を狙った」

 東日本大震災で旭市では最大震度5強、最大7.6メートルの津波を観測。14人が死亡、2人が行方不明になるなど千葉県内では人的被害が一番大きくなった。

 「忘れじの時計」は、地元のJA前に設置されていた時計を震災の象徴として展示している。午後5時25分。最大の津波が来た時間付近で止まっている。また、非常食や避難用具などの防災用品や震災に関する新聞記事といった様々な資料を展示。「防災意識」を高めるのに役立ててほしいとしている。

 開館から約2年。これまでに、旭市内外から小中学校や自主防災組織、自治体関係者も訪れているという。

 旭市総務課地域安全班・椎名達也さん「旭市にとって、まず防災教育の拠点として、小さい子からお年寄りまで気軽に来て、過去を振り返りつつも、未来に役立てていく、そういうところになればいいなと思う」

 来館者「若い人たちに伝えていくためにはなくてはならない資料館でしょうね。ぜひ、これを維持していくべきでしょうかね」

 震災からまもなく6年。今後も定期的に展示内容をリニューアルしながら、観光に来た人たちにも防災意識を高めてもらえる施設にしていきたいとしている。