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北方領土問題で「突っ込んだ議論」初日終了

2016年12月16日 0:18
北方領土問題で「突っ込んだ議論」初日終了

 ロシアのプーチン大統領と安倍首相は、山口県長門市の温泉旅館で15日午後6時過ぎから約3時間会談した。

 焦点の北方四島の帰属の問題について安倍首相は、両首脳と通訳だけの会談後、記者団に対して、「率直かつ非常に突っ込んだ議論ができた」と述べたが、具体的な進展があったのかについては明らかにしなかった。

 安倍首相が今年5月に「突破口を開く手応えを得た」と高揚感に溢(あふ)れている様子で語った時に比べると、淡々とした様子は否めなかった。16日の会見で今後の領土交渉の道筋が示せるのか、またそれを共同文書などの形で残せるのかなど、一歩でも二歩でも前進したと示せるのかが焦点。

 一方で北方領土での共同経済活動については、安倍首相は、「日露両国の特別な制度のもとでの共同経済活動」について議論したと述べて、具体的な経済活動のあり方について協議が行われたとみられる。

 ただ、ロシア政府の高官が会談直後、「共同経済活動は、ロシアの法律に基づいて行われる」と発言した。この発言について、安倍首相周辺からはさっそく「あり得ない」との声が出ていて、双方の溝が深いままであることをうかがわせている。

 ロシアの法律に従うことは、これまでの日本の主張と相いれない。政府高官は会談後、「お互いの立場を害さない仕組みをこれから作る」と話している。

 日本とロシアが主権を主張する立場を維持したままの妥協案があるのか、16日の両首脳の会見での両首脳による説明が待たれる。

 両首脳の夕食会は午後11時半ごろに終わり、長門での日程はすべて終了した。