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プーチン大統領 特別インタビュー全文19

2016年12月14日 18:09
プーチン大統領 特別インタビュー全文19

 北方領土問題などについて話し合う安倍首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談が15日から始まる。会談を前に、プーチン大統領は、日本テレビと読売新聞の取材に応じた。(19/20)


■“ポピュリズム”には何も良いことはない


――いま世界の潮流となっているポピュリズムについてどう考えるか。

  私がそれについてどう思うでしょうか。政治におけるポピュリズムは、常に大きな危険をはらんでいます。というのは、人々に方向感を失わせ、余計な期待を植え付けるからです。あるいは逆に、明らかに優先的でもない、単に達成不可能な目的に向けて人々を駆り立てるからです。

 これは、まったくの徒労か、あるいは有害です。ですから、ポピュリズムにはなにも良いことはありません。あなた方がこの点に関する私の意見を聞きたいのであれば、これがその答えということになるでしょう。

 ポピュリズムは普通、刹那的で政治的な思惑でなされるものです。それをする人間は、結果について考えず、先のことを考えず、自分の義務を果たそうとは思わないし、そのつもりもないのです。


■圧倒的支持率…大統領の自己分析


――2018年に大統領選挙がある。あなたはなぜ高い支持率を保てるのか。若い人の支持が多いが。

 たぶん、それについては、支持してくれる人に聞いてみるべきです。おそらく人々は、私が一生懸命に公明正大かつ誠実に、また、心から国にとって必要な成果の達成を目指し、働いているのを見ているのだと思います。

 人々は、私にとってすべてが達成可能でないことに気付いています。ロシア人は賢いし、よく観察しています。しかし、肝心なのは、できるだけ成果を上げようと心から思ってがんばることです。ロシアが非常に安全で、生活が良くなっていると感じられるよう目指すことなのです。

 私は実際、そのように働くように努めています。だから、ロシア国民が私の仕事に対して、そのように見てくれることに対し、その支持に対し、非常に感謝しています。なぜなら、そのような支持がなければ、仕事をするのは不可能だろうからです。


■尊敬する人物は嘉納治五郎 自宅には胸像も


――日本で尊敬する人物は。

 もちろん、嘉納治五郎です。

――自宅に像があるのか。

 私のところには、嘉納治五郎の肖像画が数点ありますし、非常に美しい胸像もあります。残念ながら、いまここにはありませんが、皆さんにできればお見せしたかったです。私のいつも住んでいる公邸にあります。それは、ロシアの彫刻家による非常にすぐれた作品で、意志の強さだけではなく、思慮深い善良な人柄が表現されています。

――あなたにとって柔道の哲学とは。

 それは、柔道を本当に知っている人、柔道を愛している人が答えるべき質問です。