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秋篠宮さま誕生日会見の全文(5)

2016年11月30日 9:01

(記者)妃殿下は9月に50歳を迎えられましたが,ご心境や今後の抱負などについてもお聞かせください。

紀子さま
 今年の9月の誕生日に,一つの大きな節目を迎えることができました。両陛下を始め,今までに温かく見守ってくださり,支えてくださった方々に感謝の気持ちを抱いております。この50年の日々を思い返しますと,幼少からの懐かしい思い出とともに,多くのお話を伺い,経験を積み重ねる中で世界が広がってきたと思っております。また,いろいろな課題がまだありますが,宮様に教えていただきながら始めた公的な務めや子育て,趣味などでの出会いやつながりのおかげで,心の温かさや心の豊かさにふれることが度々ありました。そして,様々な方から,命を育み守ることの大切さが伝わってきました。この年齢になり,互いに気持ちが通じ合うことを感じながら生きていることをありがたく思うことが多くなりました。

 今後につきましても,様々な公的な行事や活動に心を尽くして務め,関心を持っている分野においても更に学びを深め,視野を広げてまいりたいと考えております。また,家族と過ごす時間を大事にしながら健康面にも気をつけていきたいと思っております。

【関連質問】
 殿下にお伺いいたします。天皇陛下の象徴についてのお務めに関するお言葉なのですが,非常に簡略化して申し上げますけれども,象徴天皇というのは国民のために活動を続ける,それこそが象徴のお姿であると,そのように私は受け止めておりますけれども,一方でそれは天皇の本来の姿ではないと,天皇というのは存在するだけでいいんだという意見の方もいらっしゃいます。これに関して殿下のお考えはいかがでございましょうか。

秋篠宮さま
 いろいろな意見があると私は思います。現在の天皇陛下が活動していく,活動はいろいろなことがあります。例えば大きい災害があったときにそこにお見舞いに行かれることもそうでしょうし,その他もろもろのことがあります。私はやはり,いろいろな意見はありますけれども,今現在陛下が,先ほどお話ししましたように,象徴というのはどういうふうにあるべきかということをずっと模索し,考えてこられたその結果であるだろうと考えています。なかなかそれ以上のことは言うことは難しいですけれども,やはり天皇になられてからのその日々の中でずっと考えてこられて,今のような考えになられたと私は思いますし,私もそのお考えは,なかなかいい言葉で言えないですけども,私もそのお考えに非常に同じような気持ちを持っております。