×

トランプ氏 根強い支持 そのワケを探る

2016年11月4日 15:58
トランプ氏 根強い支持 そのワケを探る

 アメリカ大統領選挙まで、あと4日。民主党・クリントン候補のメール問題が再燃するなど、波乱の展開となっている。追い上げる共和党のトランプ候補が根強い支持を誇るわけ。そこには有権者のぬぐいきれない強い不満があった。

 選挙戦最終盤、必死で投票を呼びかけるトランプ氏。問題発言を繰り返しても根強い支持を誇る理由を探るため、インディアナ州中部の街・マンシーを訪ねた。

 1960年代から自動車産業の街として知られてきたマンシー。かつては8万人以上の労働者で、にぎやかさを見せていたという。この街の経済を支えていたのは自動車産業だが、徐々に海外に拠点を移していった。

 この街に住むレイノルズさん親子も、かつて自動車部品を製造する工場で働いていた。しかし、生産ラインの一部を賃金の安いメキシコなど海外に移すという理由で、父親のブルースさんは早期退職を迫られ、息子のロバートさんは解雇された。工場も2009年に閉鎖されている。

 ロバートさんは現在、物流関係の仕事に就いている。出勤の準備を始めるのは、子供たちが寝静まった午後10時過ぎ。午後11時から午前7時のシフトだが、それでも給料は工場で働いていた当時の3分の2程度。ロバートさんは、この現状を変えたいと、海外から雇用を取り戻すと約束するトランプ氏に期待を寄せている。

 ロバートさん「トランプ氏が会社を経営していたように、この国を率いてくれれば大きな強みになります」

 接戦が続くペンシルベニア州に住むアリーナ・ヘンリックさんは、既存の政治家に強い不信感を抱き、政治家出身ではないトランプ氏を支持している。

 ヘンリックさん「既存の政治家は大口献金を受けていて、国民の利益のために働いていない。トランプ氏は、その堕落した状態を変えようとしている」

 女性の有権者だが、トランプ氏の女性を蔑視した発言は問題にならないという。

 ヘンリックさん「トランプ氏は『自分は変わった。アメリカ国民のために働く。過去の発言を恥じている』と約束しました。彼の政策の方が、過去の発言より大切です」

 根強い支持の一方で、トランプ氏の過激な言動は共和党支持者に波紋を広げた。ブッシュ前大統領の下、ホワイトハウスで働いていたエレノア・シフさん。

 シフさん「娘に『トランプ氏が当選したら移住して良いか』と聞かれました」

 今回の選挙では、トランプ氏ではなくクリントン氏に投票することを決めた。

 シフさん「国民として最適な候補者に投票する責任があります。それがクリトン氏です。トランプ氏は、これまでの自らの言動に責任をとり、謝罪するべきです」

 トランプ氏がもたらした熱狂と失望。多くの人がそれぞれの思いを抱きながら、まもなく決戦の日を迎える。