×

農水相“冗談”発言、TPP土壇場で紛糾

2016年11月2日 16:05
農水相“冗談”発言、TPP土壇場で紛糾

 TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案の2日の委員会採決は見送りとなった。山本農水相が承認案の強行採決に言及した自らの発言について1日夜、「冗談を言った」と述べ、民進党などが強く反発している。

 民進党など野党4党は「強行採決を冗談で言うような大臣にTPPの審議を進める資格はない」などとして、大臣辞任を要求することで一致した。

 山本農水相は1日夜、自民党の田所議員のパーティーで挨拶し、強行採決の可能性に言及した自らの発言について「冗談を言った」としたほか、参加している農業関係者に対して「農水省に来ればいいことがあるかもしれない」と述べた。

 山本農水相「この間、冗談を言ったら(大臣を)クビになりそうになった。(会場に)JAの方々が大勢いらっしゃるようでございますので、田所先生の紹介で農林省(農水省)に来ていただければ何かいいことがあるかもしれません」

 民進党などは「強行採決を茶化している」「利益誘導的な発言だ」などと反発している。

 民進党・蓮舫代表「こんな発想の大臣が大臣でいるうちには、我々はTPPなど国益に関する質疑は全くできない」

 これに対して与党側は、2日の特別委員会での質疑と採決を見送ることを決めた。しかし、山本農水相の辞任については菅官房長官が「辞任する話ではない」としている上、TPP承認案は予定通り4日に衆議院を通過させたい考え。

 TPPを巡る攻防は土壇場で波乱含みとなっている。