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“賠償業務で鬱病発症”東電社員が労災申請

2016年10月31日 19:21

 東京電力の社員が、「鬱病を発症したのは福島第一原発事故の後に担当した賠償業務の過酷な労働が原因だ」として労災を申請した。

 労災を申請したのは、東京電力の社員・一井唯史さん(35)。一井さんは、福島第一原発事故後の2011年9月から約2年間、原発事故で発生した法人への賠償業務を担当したという。一井さんによると、相手企業から3時間続けて叱られることもあり、ミスが許されない極度の緊張感の中で業務を行い、6人の担当者のうち、1人が体調不良で休んだ後は、さらに仕事量が増えて長時間労働と睡眠不足が続いたという。

 一井さんは、2013年9月に鬱病と診断されて3年間休職。会社に対し「労災だ」と訴えたが否定され、来月5日に解職すると通告されたという。一井さんは「解職は不当で、鬱病は過酷な労働によるものだ」として、31日、労働基準監督署に労災を申請したという。

 東京電力は「労働基準監督署から、事実関係などについて、照会があれば、真摯(しんし)に対応している」とコメントしている。