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開発者が実演「みえる電話」の狙いと背景

2016年10月26日 21:04
開発者が実演「みえる電話」の狙いと背景

 インターネット上で話題の出来事を日テレNEWS24・デジタル編集チームが取材する「Hot Word」。26日のテーマは「みえる電話」。

 10月20日、「みえる電話」を含んだツイートが大きく伸びました。実は、この前日にある発表があったんです。

 「みえる電話」はNTTドコモが試験的に始めるサービスで、今月19日からモニター登録を始めたと発表しました。相手の話している内容をリアルタイムで文字に変換し、スマホ画面に表示するもので、主に、耳の聞こえづらい人など「相手の言葉を聞き取るのが難しい」と感じている人に使ってもらうことを想定しています。


■担当者に話を聞きました

 「みえる電話」の開発に携わっているNTTドコモのサービスデザイン部・河田隆弘さんにお話を聞きました。

 「みえる電話」のサービスのキッカケになったのは、今年4月に施行された“障害者差別解消法”という法律でした。そして、河田さんたちが注目したのは、国の調査で全国に約36万人いるとされる聴覚障害者の方でした。

 「ドコモとして、耳に障害がある方のために、何かできることはないか」という思いが、このサービスを始めるキッカケになったそうです。

 河田さんたちが行った調査によると、聴覚障害がある人、約350人に「聴覚に障害があることで困ることは何ですか」と尋ねたところ、「電話が必要な時」という回答が58.1%もあったそうです。

 例えばクレジットカードを無くしてしまい、すぐにカードを止めるために、カード会社などに電話をしなければならない時や、家庭で水漏れが起きてしまった時など、すぐに緊急の対応が必要な時に、聴覚に障害のある人は非常に困っているそうです。こうした声を参考にして誕生したのが、「みえる電話」です。


■方言には対応している?

 基本は標準語での音声認識を想定していますが、「おおきに」などよく耳にする方言は文字としても認識するそうです。また、一部の方言は標準語に変換される言葉もあるそうですが、まだ数は少ないので、今後は精度を上げるようにしていきたいそうです。

 「みえる電話」のサービスは試験段階ですが、一般の人でも利用できます。「みえる電話」はドコモのサービスなので、ドコモのスマートフォン使っている人がモニター登録することで利用できるようになります。

 ドコモによりますと、聴覚に障害のある方を優先しているそうです。試験サービスは来年3月まで行われ、本格的なサービス展開は2017年度を目標にしているとのことです。