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初の有識者会合、「生前退位」の行方は…

2016年10月17日 18:54
初の有識者会合、「生前退位」の行方は…

 天皇制の今後を左右する重大な議論がスタートした。天皇陛下の「生前退位」について話し合う「有識者会議」の初会合が17日、首相官邸で開かれている。

 あいさつに立った安倍首相は、「予断を持つことなく十分に審議して頂きたい」と述べて、生前退位のみならず摂政や臨時代行を置く方法など幅広い議論を求めた。

 安倍首相「国家の基本に関わる極めて重要な事柄であり、予断を持つことなく十分にご審議をいただき、国民の皆様の様々なご意見を踏まえ提言をとりまとめていただけるよう、よろしくお願いを申し上げます」

 また安倍首相は、「静かに議論を進めていきたい」と述べ、落ち着いて議論を進めていく意向を示した。

 政府としては、生前退位を恒久的な制度にすることは「憲法に抵触するおそれもある」として、今の天皇陛下にだけに認める特例法を軸に検討する方針。一方で天皇陛下は8月のお言葉で将来にわたる生前退位の制度化を示唆されていて、自民党内にも「陛下のご意向をもっと重く受け止めるべきだ」との声がある。

 天皇制を左右するこの難しい課題で、安倍政権はどのような結論に導くのか。17日に初会合を迎えた有識者会議の議論で、国民の理解に基づく合意が形成されるかが鍵を握る。