金丸恭文氏、「勝ち続ける」方程式 3/4
ITコンサルティング会社「フューチャー」会長兼社長兼グループCEOの金丸恭文氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは「ワークライフバランスだけ言ってたら、ブレークスルーはない」。その真意とは?
金丸氏は今月、政府の「働き方改革実現会議」のメンバーに起用された。今の「働き方改革」の方向は、金丸氏のように“がむしゃらに仕事する”とはだいぶ違う印象がある。
企業や政府の方向性としては、人口減少によって労働人口が減っていく中で、どのように労働力を確保していくのか。特に企業は優秀な人材を確保するため、グローバルな競争をしている。
そのため、企業に優秀な人材に来てもらうためには、職場の環境を改善する、つまり「ワークライフバランス」が重要なキーワードの一つになっている。
企業としては、働きやすい職場を作ることが競争力を増すことになるということが共通認識として、特に大企業を中心に広がっている。政府も「長時間労働の是正を進めるべき」ということを閣議決定している。
「ワークライフバランス」が合言葉になっているような流れの中で、金丸氏は国の働き方改革の中身を決めていく重要なメンバーに選ばれた。
■「働く時間を規制する」ことの懸念
――この「ワークライフバランスだけ言ってたら、ブレークスルーはない」という言葉ですが、国の方向性と合ってるのかなという意味で、ちょっとドキドキしてしまうんですが、実際どうなのでしょう。
私の人生と合っているかどうかは、私は気になっているのですが、今日ご紹介させていただいた通り、そういう意味ではかなり夢中で仕事をしていました。ただ、イノベーションを牽引する人など、いろんなタイプの人がいるわけです。そして、誰かがビジネスモデルを確立した後、きちんとオペレーションするっていうそういう人たちもいます。そういう意味では、政府はその保護すべき人とそれから自由にしてあげる人とが必要だということです。
しかもその仕事は、命令されてやるっていう仕事をしている人と、それが命令されなくても――例えば私のようにセブン-イレブンに訪問するというのは自分で決めて、朝から晩まで、例えばそのセブン-イレブン本社にいるっていうことも自分で決めてやっていたので、誰の指示も受けてないサラリーマンだったんですよね。
そういう意味では、いろんなタイプの人がいますから、一概にその時間で規制してしまうと、ホンダや松下電器(現パナソニック)、マイクロソフト、グーグルも生まれてないし、私どもの会社も生まれてないということになります。政府は、多様な働き方をまず前提にした上で、そのワークライフバランスっていう事とそれから稼ぐということのバランスをぜひとって欲しいなと。
――働きたい人が働く時間を減らす必要はないということですね。
そうです。