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大隅教授が会見「この上なく名誉なこと」

2016年10月4日 0:09
大隅教授が会見「この上なく名誉なこと」

 今年のノーベル生理学・医学賞に、細胞のリサイクル機能、「オートファジー」の分子メカニズムを解明した東京工業大学の大隅良典栄誉教授が選ばれた。大隅栄誉教授は記者会見で、「ノーベル賞受賞は、この上なく名誉なこと」だと喜びの声を語った。

 大隅良典栄誉教授は福岡県生まれの71歳。1972年に理学博士号を取得後、アメリカのロックフェラー大学の研究員などを経て、2009年に東京工業大学フロンティア研究機構の特任教授に就任した。

 大隅教授は、酵母を使って、細胞が生き抜くために内部で自らのタンパク質を分解・消化することで栄養源を確保するという、細胞のリサイクル機能「オートファジー」の分子メカニズムを解明、生命におけるオートファジーの研究の進展に大きく貢献した。

 オートファジーの研究は、アルツハイマー病などの神経変性疾患や老化やがんの予防につながるとされていて、生命の基本的原理を明らかにするものと期待されている。

 大隅教授「(ノーベル賞受賞は)研究者としてはこの上なく名誉なことだと思っています。この数年いろんな賞をいただきましたが、ノーベル賞には格別な重さを感じています。私は酵母という材料でオートファジーの研究をしてきました。このような基礎的な研究が、今日のオートファジーの研究の大きなきっかけになったとすれば、基礎生物学者としてこの上ない幸せだと思っています」

 また大隅教授は、オートファジーの研究が、若い研究者にも広がってほしいと語った。これで日本のノーベル賞受賞者は25人になった。