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五輪会場見直し案「信頼壊す」IOCが懸念

2016年10月1日 22:11
五輪会場見直し案「信頼壊す」IOCが懸念

 東京都の調査チームが小池知事に提案した東京オリンピック・パラリンピックの会場計画の見直し案について、国際オリンピック委員会の副会長が、「信頼を壊す」など懸念を示したことが分かった。

 大会組織委員会の関係者によると、組織委員会の武藤事務総長と東京都の山本副知事は先月30日、IOC(=国際オリンピック委員会)のコーツ副会長とテレビ会議を行ったという。

 会議の中でコーツ副会長は、東京都の調査チームがボートとカヌー、水泳、バレーボールなどの3つの会場の建設計画の大幅な見直しを提案したことに触れ、「会場をレガシー(遺産)にするとしていたこれまでの東京都の説明と違う。会場の変更は信頼関係を壊す」などと話し、不快感を示したという。

 調査チームは、ボートとカヌーを宮城県で開催する案も示していて、その場合、選手村を東京とは別に宮城にもつくる必要が出てくるが、IOCは、国や宗教、人種を超えて選手が交流できる1つの選手村を平和の象徴としていることから、これには否定的で、コーツ副会長は、「東京大会の価値を大きく傷つける」などと懸念を示したという。

 また、来日している国際ボート連盟会長も3日に小池知事に面会し、予定通り東京・江東区の「海の森水上競技場」での開催を求めるという。