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豊洲「盛り土」報告“不十分” 調査継続へ

2016年9月30日 18:10
豊洲「盛り土」報告“不十分” 調査継続へ

 豊洲市場の「盛り土」問題で30日、東京都の内部調査の結果が公表された。報告書では「計画変更をした時期や個人は特定できなかった」としているが、小池知事はこの報告を「不十分だ」として、調査の継続を明らかにした。

 内部調査の報告書によると、「地下水の汚染をモニタリングする空間」については、2008年に専門家会議が「盛り土」の提言を行った直後の同年10月頃から内部で検討が始まったということだが、具体的に、盛り土をせず地下空間をつくることを確定した時期と人物については、2010年11月の設計会社を選ぶ頃から翌2011年9月の実施設計の起工決定の間に組織として段階的に確定したとしている。しかし具体的な日時や確定させた個人については、特定できなかったとしている。

 また、間違った説明を続けたことについては、上司と部下や職種間での連携が不十分だったため歴代の幹部に盛り土がないとの認識がなく、間違った説明をしているという認識もなかった。また議会の答弁などでは以前の答弁をコピーして使っていたとしている。

 さらに専門家会議や技術会議に計画変更を伝えなかった点についても、過去の担当者が伝えていたはずとの思い込みがあったとした。

小池知事「いつどの時点で、誰が盛り土をしないと決定して、そういうことになったのか、という点であります。基本設計から実施設計の一連の流れの中で、地下空間を設けるということ、そして盛り土をしないということが段階的に固まってきたということが考えられる。ここが問題なんです。いつ誰が、ピンポイントで指し示すのは難しい。答弁で全体で盛り土と表明してきた原因は、組織運営上の問題に行き着くと言わざるを得ない。セクションの縦割りの連携不足がある。市場長などの管理部門のチェックもなかった。最も大きな要因はガバナンス・責任感の欠如ということになる」

 小池知事はこの報告を「十分ではない」として、新たに「通報制度」を設け情報提供を募るなどして今後も調査を続けることを明らかにした。

 また都庁全体での情報共有を強化するため、副知事や各局長らが出席する「都庁マネジメント本部」を設置し、30日午前に1回目の会合を行ったことを明かした。

 一方で、知事は「この問題と移転時期の判断とは別」として、移転時期の判断についてはこれまで通り「来年1月の地下水の調査結果を待ちたい」としている。