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日中が「東シナ海情勢」で自制呼びかけ

2016年9月28日 1:46
日中が「東シナ海情勢」で自制呼びかけ

 日本と中国の政府関係者や有識者らが日中間の課題などを話し合うシンポジウムが27日に都内で開かれ、緊張が高まる東シナ海情勢について、日中双方は、互いに自制するよう呼びかけた。

 冒頭で基調講演を行った福田元首相は、沖縄県尖閣諸島周辺の東シナ海で緊張が高まっていることを念頭に、「問題解決よりも環境整備に重点を置くべき」と、日中双方に自制を呼びかけた。

 福田元首相「静かな環境をつくり上げ、国民がもう少し冷静な判断が出来るようにしてほしい。現状をこれ以上悪化させないでいただきたい」

 また、中国の唐家セン元国務委員も東シナ海が日中の争いの場になってはならないとの認識を示した上で、偶発的な衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の早期の運用開始を呼びかけた。

 一方、日中の軍事・外交専門家らによる安全保障の分科会では、北朝鮮の核問題についても議論が及んだ。

 非核化の実現に向け日本側からは、日・米・韓と中国、ロシアによる5か国が、信頼関係を深めるための枠組みを作るべきとの提案があった。これに対し中国側からは、5か国の枠組みは重要だとする一方、日本は、日米同盟と中国との関係を両立させられるのか、といった疑問も出された。