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「1月解散総選挙」はあるか? 記者解説

2016年9月27日 21:13
「1月解散総選挙」はあるか? 記者解説

 実はいま、国会では安倍首相が来年1月に衆議院を解散するのでは、との憶測が出ている。日本テレビ政治部・古谷記者が解説する。

――衆議院の任期まではあと2年以上ある。なぜこんな憶測が出ている?

 ある与党幹部は「先に行けば行くほど経済が悪くなるし、不透明感が増すと思う」と話している。政府与党内には、政権への支持率が高いうちに解散をするべきだという声が一定程度ある。

――早いほうがいいといわけですね

 そうです。そうした中、年末には安倍首相の地元山口県で日露首脳会談が行われる予定がある。最大の焦点は北方領土問題だが、もし前進させる事ができれば、これを大きな外交的成果として掲げて、解散に打って出るのではとの憶測が飛んでいる。ある政権幹部も「領土問題がうまくいけばその後に解散することはあり得る」と話している。

――ただこれは交渉の結果次第ですね。

 難しい交渉であることは間違いない。そして、憶測のもうひとつの根拠になっているのが自民党の党大会の日程。通常1月に行われる党大会がなぜか3月になった。

――どういう意味か?

 つまり、安倍首相が年明けの日程をあけて、解散総選挙の可能性を残したのではないかとの憶測が出ている。自民党執行部は、安倍首相の自民党総裁任期延長のための党則改正を目指している。党内に慎重論もある中、総選挙で勝ち、その勢いで任期延長を通すというシナリオを政権が描いているのではとの見方だ。

 一方で、任期延長の党則改正がもめることに備えて、日程に余裕を持っただけとの指摘もあり、自民党の二階幹事長も「会場の都合もあるし今から解散の事まで考えていない」と直接の関連を否定している。

 また、現在衆議院で保持している3分の2を超す議席を失ってしまうリスクを抱えてまで、選挙を行う理由があるだろうかとの声は根強く、まだ解散総選挙は憶測の域を出ていない。

――迎え撃つ野党側の備えは?

 民進党の野田幹事長は「衆議院の解散はそう遠くないかもしれない」と話すなど、1月総選挙も視野に入れて、準備を始めているが、具体的にはまだこれからだ。

 また、民進党は蓮舫新代表の台湾籍問題の影響からか政党支持率も“微増”にとどまっている。安倍首相はこうした要素を見極めながら解散のタイミングを模索していくことになる。