×

“盛り土”隠す意図ないのでは~小島座長

2016年9月17日 17:54
“盛り土”隠す意図ないのでは~小島座長

 東京の豊洲市場で土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で17日、安全性を再検証する専門家会議の座長らが会見を行った。都の調査では建物の地下にたまった水からは環境基準を超える有害物質は検出されなかったという。

 会見では、東京都が13日に採取した水の水質調査を行った結果、基準値を下回る微量のヒ素や六価クロムは検出されたもののベンゼンやシアン化合物などは検出されなかったと公表された。

 この調査結果を受けて、専門家会議の平田健正座長は「地下にたまった水は地下水の影響を受けている可能性がある」と指摘し、地下空間での盛り土については「これから行うのは難しい」との見方を示した。

 平田座長「(有害物質は)基準値よりかなり低いので大丈夫だと思います」「(ヒ素が検出されたということは)地下水の影響を受けている可能性がある」「ベンゼンが地下空間にたまる可能性があるということは懸念すべき」「(Q盛り土をする可能性は?)盛り土をするのは物理的に難しい」

 平田座長は今後、専門家会議で、現在の地下空間がある状況での安全性をあらためて検証する必要があるとした。

 一方、市場移転問題を検証するために小池知事が立ち上げたプロジェクトチームの小島敏郎座長は、地下に空間があるにもかかわらず、都がこれまで「盛り土を行った」と説明していたことについて、「思い込みや認識違いが重なって起きたことで、隠す意図はなかったのではないか」との見方を示した。

 小島座長「(2年前の)技術会議の最終報告書の18回目に出された資料を見てもAP2.0(=地下空間がある)と書いてあるので」「別に東京都が隠していたかというと(過去の)公表資料を見れば隠していたわけではないのではないか」「認識の齟齬(そご)、食い違いがあったというのは事実」「いつどこで誰が(地下空間の)意思決定したのか都側で調査していく」

 今後プロジェクトチームでは、豊洲市場に移転することを前提に専門家会議と共に地盤や建物の安全性の検証や巨額となった建設費が適正だったかの検証などを進めていくとしている。