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玉塚氏、追撃のローソン“次の一手”3/4

2016年9月8日 15:34
玉塚氏、追撃のローソン“次の一手”3/4

 ローソン代表取締役・会長CEO玉塚氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは「コンビニエンスからエッセンシャルへ、マチの暮らしにとってなくてはならない存在となる」。その意味とは?


■コンビニは「社会のインフラ」に

――「コンビニエンスからエッセンシャルへ、マチの暮らしにとってなくてはならない存在となる」とありますが、先ほども少しお話がありましたけれども、昨年は介護関連商品や介護職を備えた“ケアローソン”も展開しているということなんですが、今後のコンビニの可能性としてはどのように考えていますか。

 “コンビニエンス”というのは便利という意味なんですね。“エッセンシャル”というのはなくてはならない、不可欠なという意味です。これは結構違うなというふうに思うんです。やはり、我々のコンビニエンスストアというのはもう今や、社会インフラ化していると思うんです。

 我々が存在していること自体が、それぞれのコミュニティー、街に今、貢献をしているわけですね。今、企業はCSRという社会的貢献からCSV―CSVというのは“クリエイティングシェアードバリュー”といって事業をやっているそのものがその地域に貢献する、社会に貢献する、そういう企業が、生き残っていくという考え方なんです。我々がやっている仕事というのはまさにこれじゃないかなというふうに思っています。


■地域になくてはならないお店に

 24時間、我々商売のために明かりをともしています。田舎に行くと、24時間、明かりがともっていることが安心を生む。今、我々の店には8台ぐらいの防犯カメラが付いているんですね。常に何かあったらすぐに地域の警察の方と共有する。この間の熊本地震のとき、東北の大震災のとき、いの一番に我々の物流網を使って、トラックを使っていかに被災地に、水やおにぎりやサンドイッチを届けるか。これ、一番スピーディーにできるのは我々の業界です。

 そういう意味では、地域によって本当にお店がなくなってくる、過疎化も進む、限界集落みたいなところも出てくる。さらに買い物難民の方もいらっしゃる、高齢化が進む、そういう中でも我々ローソンが、我々コンビニエンスストアがその地域にあるから、それがその生活全体を支援していくんだ、そういう流れになっていこうと。そのためにその変化にしっかり感じ取って、それぞれに地域になくてはならないお店になっていきますという意味ですね。


■健康に対する取り組み

――高齢化の話が出ましたが、ご高齢の方向けにも様々なサービスを始められているとうかがいましたが。

 そうですね。例えば介護の窓口を設置したりですかね。薬なんかも非常に重要で、一般医薬品を取り扱う店をどんどん増やしています。あるいはヘルスケアモデルということで、どちらかというとドラッグストアとコンビニエンスストアのハイブリット型の店を展開したり、あるいはシニアの方にすごく優しい店だったり、シニアの方だけじゃないのですが、特に健康に対する取り組みは色々な意味で強化しています。

 野菜の取り扱いを増やしたり、あるいは最近ヒット商品であるグリーンスムージーや低糖質のパンなど、色々な健康に絡む商品を常に開発して提供していくというようなこともやっています。