中国・杭州で開かれていたＧ２０首脳会議は世界経済を下支えするための対策を盛り込んだ共同声明を採択し閉幕した。ホスト役の習近平国家主席は閉幕後の記者会見で会議の成功をアピールした。

　今回のサミットでは、世界経済を立て直すために、各国が金融政策や構造改革などの政策を総動員し、経済を下支えすることを確認。世界的な問題となっている中国による鉄鋼などの過剰生産については、対策を話し合う場を設けることが共同声明に盛り込まれた。

　閉幕後、習主席は「今回のサミットは世界から広く注目され大きな期待を寄せられていた。こうした中、大きな成果を収め予定していた目標を実現できた」と述べ、会議は成功したと強調した。

　国際情勢を議論する場では、ヨーロッパなどで相次ぐテロを非難する声があがったほか、５日の北朝鮮によるミサイル発射を受け、安倍首相が「許し難い挑発行為が行われたことに対し、国際社会や国連安保理を含め、断固たる対応をとるべきだ」と訴えた。

　一方、注目された南シナ海の問題については、自由貿易の議論の中で安倍首相が、航行の自由と法の支配の重要性を呼び掛ける形で中国をけん制した。しかし、議長国・中国が議論のテーマとしてふさわしくないと強く主張する中、国際情勢を直接議論する場では、取り上げられなかった模様。