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陛下「お気持ち」 首相“重く受け止める”

2016年8月8日 17:42
陛下「お気持ち」 首相“重く受け止める”

 天皇陛下は8日午後3時、「生前退位」をめぐり「お気持ち」を表明された。お気持ち表明を受け、安倍首相は記者団に対して「重く受け止める」とのコメントを発表した。

 安倍首相は「どのようなことができるのか、しっかりと考えていかなければいけない」と述べたが、具体的にどう対応するのかについては踏み込まなかった。

 安倍首相「私としては、天皇陛下が国民に向けてご発言されたということを重く受け止めております。天皇陛下のご公務のあり方などについては天皇陛下のご年齢やご公務の負担の現状に鑑みる時、天皇陛下のご心労に思いを致し、どのようなことができるのかしっかりと考えていかなければいけないと思っています」

 今回、安倍首相が具体的な対応に踏み込まなかったのは、今回のお言葉が憲法で禁じられている天皇の政治的な発言にならないよう配慮したため。政府は当面は、すでに内閣官房に設置されている皇室典範改正準備室で検討を進める考え。しかし、生前退位を可能にするために皇室典範を改正するのか、今の天皇陛下のみに適用される特例法を制定するのか、などの方針については定まっていない。

 そうした中、政府高官は結論を出す時期について、「そんなに急ぐものではないが、かといって何年もかけるものではない」としている。世論の動向も見極めながら慎重に対応することとなりそうだ。