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開幕直前 リオ五輪「盛り上がりと不安」

2016年8月5日 13:52
開幕直前 リオ五輪「盛り上がりと不安」

 リオデジャネイロオリンピックが日本時間6日に開幕する。南米で初めて開催されるオリンピックということもあり、街は盛り上がりを見せる一方、様々な不安も残っているようだ。

 今月1日、オリンピック開会式のリハーサルが行われた。夜空に次々と打ち上げられる花火。リハーサルの抽選に当たった市民らは、ベールに包まれた演出に酔いしれた。リハーサルの後、帰路につく市民に演奏を披露する出演者の姿も見られた。

 私たちは、オリンピックのチケットを購入した女子ラグビーのファンという地元女性の自宅を訪ねた。

 「74枚あるわ!ここにあるのは36枚だけど、残りのチケットは妹の家にあるのよ」―女性が購入したチケット代は約17万円。家族や友人らと女子ラグビーの全試合を観戦するほか、試合のない日には会場案内のボランティアもするという。女性は「オリンピック開催期間中、およそ15日間、私は24時間、オリンピックの空気を吸い続けるわ」と語ってくれた。


 街には各国の大会関係者や観光客の姿も目立ち始め、オリンピックムードは徐々に高まっている。その一方で、心配な要素も残されている。競技の観戦チケットが開幕3日前の時点で全体の約2割・130万枚ほど売れ残っているのだ。

 実際、地元のリオ市民はチケットを購入しているのか。繁華街や競技場周辺で100人アンケートを行ってみた。100人のうち、チケットを購入したのは11人。「買わなかった」と答えた約9割の人は、テロへの恐怖や会場への交通の便が悪いことを理由に挙げた。

 また、厳重な警備態勢が敷かれているにもかかわらず、治安の悪化は、より深刻な事態となっている。先月26日、多くの人が行き交う住宅街である事件が発生、防犯カメラがその様子を捉えていた。

 渋滞で停車中の車に近づく男。銃のようなものを突きつけ、ドアを開けると、中から運転手を引きずり出す。そして、ポケットや車の中から持ち物を奪った。

 さらに、リオを訪れていた日本人が、ビーチで拳銃とみられるものやナイフで脅され、現金などを奪われる事件も相次いでいる。

 ブラジルの政治の混乱に経済の低迷が重なり、各地でデモ活動も発生する中、人々の手で引き継がれてきた聖火。平和の象徴である炎は日本時間6日、開会式の会場にともされることになっている。