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南シナ海問題 仲裁裁判きょう夜判断へ

2016年7月12日 13:18
南シナ海問題 仲裁裁判きょう夜判断へ

 中国が大規模な埋め立てを進めて緊迫している南シナ海の領有権などをめぐり、フィリピンが中国を提訴している仲裁裁判の判決が、12日夜に出される。南シナ海問題をめぐる初の国際的な司法判断となり、注目されている。

 12日夜の判決については、中国でも連日報道されていて、中国共産党の主張を掲載する新聞は一面で伝えたうえで、「判決は紙くず」だと強く非難している。

 仲裁裁判所が出す判決のポイントは、中国が南シナ海の南沙諸島で埋め立てを進めるそれぞれの人工の島をどう認定するか。

 フィリピンは、中国が埋め立てている人工の島は、漁業権などの海洋権益や領海を主張できる「島」などではないため、中国が権利を主張するのは国際法に違反するなどと提訴している。

 一方で、中国は「九段線」と呼ぶ独自の境界線を設定し、南シナ海のほぼ全域に自らの権利が及ぶと主張していて、今回の仲裁裁判の審理に参加せず、判決も受け入れないと猛反発している。

 北京のフィリピン大使館前では、抗議活動などに備えてか厳重な警備が敷かれている。判決は日本時間の12日午後6時に出される予定で、中国にとって不利な判決であれば、国際社会の批判は強まりそう。