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都知事選 候補者選びに進展は? 記者解説

2016年7月8日 19:16
都知事選 候補者選びに進展は? 記者解説

 東京都知事選挙を巡り8日、俳優の石田純一氏が野党統一候補ならば出馬したいと意欲を示した。政治部首相官邸キャップ・日本テレビ解説委員の青山和弘記者が伝える。

 Q)俳優の石田純一氏は立候補する条件として、野党の統一候補になることを掲げたが、その可能性はどの程度あるのか?

 現段階ではかなりハードルが高いと言わざるを得ない。民進党幹部は石田氏を推薦する可能性について、政治経験がないことを理由に「都知事は無理でしょう、あり得ない」と話している。また松原都連会長も難しいとの認識を示している。

 民進党・松原都連会長「民進党としてはやはり実務経験があるような方というのがひとつ必要ではないかと。都政というのは極めて大きな舞台ですので、それは一定の経験がないと、なかなか都政という大きな船を操ることはできないのではないかと」

 Q)石田氏に対しては厳しい見方のようだが、民進党はいずれにしても野党統一候補を立てる方向なのか?

 そうだが、候補者選びはなお混沌としている。石田氏に対しては厳しい見方のようだが、民進党はいずれにしても野党統一候補と立てる方向だ。8日朝の民進党都連の会議では、これまで擁立を検討してきた長島昭久衆議院議員は、共産党などとの共闘に否定的な考えを示していることから擁立は難しいということになった。

 そのため、前神奈川県知事の松沢成文参議院議員と元経済産業省の古賀茂明氏を候補に、党本部と調整を行う方針。こうした状況の中、8日の会見を受けて、石田純一氏が検討の遡上(そじょう)に上ることがあるのかが焦点となる。

 一方、8日は日本弁護士連合会の元会長、宇都宮健児氏が、立候補する考えを示した。宇都宮氏は前回と前々回の都知事選挙に共産党などの推薦を受けて出馬し、共に90万票以上を獲得して次点となっている。宇都宮氏と野党統一候補が並び立てば野党票が分散するのは必至で、宇都宮氏への対応をどうするかも焦点。

 Q)8日の動きは都知事選の行方にどういう影響があるのか?

 自民党は前岩手県知事の増田寛也氏の擁立に向けて着々と準備を進めている。こうした中、野党候補が複数出れば票が分散して増田氏に有利になるとみている。さらに自民党都連の幹部は「候補者がいっぱい出れば小池氏に行くはずの浮動票が一定数流れる。また、石田氏が引っ張ってくれれば小池氏の露出も減る」と話し、自民党の推薦を受けない小池百合子元防衛相にもマイナスになると分析している。

 思惑含みの駆け引きが続く東京都知事選挙。告示は参院選の投票日を挟んで14日に迫っている。