マネーフォワード生んだ発想と意志 4/5
株式会社マネーフォワード代表取締役CEO・辻庸介氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。4つ目のキーワードは「まだやりたいことの1%しかできていない。人工知能が握るフィンテックの可能性とは」。
金融とIT技術の融合は我々の生活に何をもたらすのか、そして新アプリの構想とは?
■人工知能で作る“安心”の世界
――「1%しか」というのは本当に驚きですが、他に人工知能を使ってどんなことをやりたいのでしょうか。
我々はフィンテックのサービスをやっているのですが、個人向けのマネーフォワードであるとか、中小企業向けのMFクラウドのような会計サービスもやっています。なので、やりたいことは、ユーザーの生活をテクノロジーによって楽にするというのが第1段階なんですけども、第2段階として、お金の流れも実際に変えていきたいと。
例えば、中小企業がお金を借りたいという時に、今までより素早く適切にお金を借りることができたり、個人の方だと「住宅ローンはどれがいいのか」「生命保険はどれがいいのか」など、なかなか選べない部分をユーザーのサイドに立ってアドバイスをしていくとか、そういうことをどんどんやっていきたい。「マネーフォワードがあれば安心」という世界を作りたいと思っています。
■お金の“わからない”をチャットで気軽に
――差し支えなければ、辻さんのなかで今後、新しいアプリの開発の構想などがありましたら教えていただけますか。
今は、ユーザーが現状把握を簡単にできるようになりました。自分がいくら使っているか、いくら持っているかというのはかなり自動化できたと思います。
ここから「将来、子供を何人持ちたい」「老後にこういう生活をしたい」とか、自分が思い描く生活をしていく上で資産運用はどうしたらいいのかがわかるアプリであるとか。
そして、最近テストでリリースしているのが、チャットでお金について何でも聞けるというものです。例えば、住宅ローンも「固定金利がいいのか」「変動金利がいいのか」など、色々わからないことが多いですよね。そういうことをチャットで軽く聞ける、ユーザーとの距離が縮まるようなサービスを出していくとか、ユーザーの不安が無くなり楽になって、知識も増えて賢くなるようなサービスをいま作っています。