「ロボホン」を生んだ高橋氏の独創力2/4
ロボ・ガレージ代表取締役社長・ロボットクリエイターの高橋智隆氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。2つ目のキーワードは「大企業も苦戦の二足歩行ロボット、アイデアはノートの端っこに描いたラクガキだった…」。
二足歩行ロボットの開発秘話を聞く。
■プラモデルを歩かせたい
――高橋さんの小さいころの夢は何だったんですか?
鉄腕アトムのマンガを読んで、ロボットを作る科学者になりたいと思っていました。
――高橋さんは、京都大学在学中にロボット博覧会に二足歩行ロボットを出展。プラモデルを改造したこのロボットは、商品化されたということですが、どんなものだったのでしょうか?
実は、二足歩行ロボットが、今のように歩き回っている時代ではなく、そもそも、歩かせること自体が難しかったんですね。
私は、プラモデルを歩かせたいということで、ジオラマの床に鉄板を敷き、ロボットの足に電磁石をつけてリモコンで動き回る、そんなロボットを作りました。
■アイデアが生まれたのは受験のとき
――それはどうやって考えついたのですか?
たぶん、受験勉強の合間に、思いついたアイデアを(ノートの端っこに)書き留めていて…それで、入学後に時間ができたので作ってみようという。
――それは、うまく歩いてくれたのですか。
作ってみると、当然、想定していなかった失敗もありますし、逆に思っていた以上に動いてくれたこともあるんですね。それで、スタスタと歩きまわってくれるロボットができたので特許を出願して、商品化されました。
――難しくはなかったのですか?
やはり、趣味の延長なので、開発の段階で苦しいときもあるのですが、基本的には楽しみながらやっています。
――特許を取って、儲かる(もうかる)みたいな話はあったのですか。
特許のライセンスだけだと、あまり儲からないなあと思いましたし、商品のコンセプト自体がメーカーさんが考えたものに変わっていくので自分でコンセプトから販売方法、マーケティングまでコントロールしたいなあと思うようになりました。