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主婦に人気の進化型コインランドリー

2016年6月8日 19:48
主婦に人気の進化型コインランドリー

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。8日のテーマは「進化するコインランドリー」。日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。


■コインランドリーのイメージ

 最近、コインランドリーを利用したことがない主婦100人に、コインランドリーのイメージを聞いたアンケートでは、3割近くの人が「清潔感がない」「盗難が心配」と答えていて、次いで「時間がかかる」「男性が多い」印象があるという結果が出た。

 ただ最近ではこういったイメージを払拭するような、進化したコインランドリーが登場していて、利用する人も、10年以上前は単身者や学生などが中心だったが、おととしの時点では利用者の73%が主婦となっていて、真逆になっている。そこで、主婦に人気のコインランドリーを取材した。


■進化型コインランドリーの利用者は

 去年オープンした東京・府中市のコインランドリー。大型洗濯機や乾燥機が並んでいるが、清潔感があり内装もオシャレだ。コインランドリーを利用する理由をお客さんに聞くと「平日は仕事していて、大物が洗えないので、週末はちょっとドカッと…。子どもの保育園のシーツとか家のシーツとかを洗いたいので」「雨の日が続いたりとか、そういう時は週末にまとめてもいいかなと思います」という声が聞かれた。アンケートでもあった“時間がかかる”というイメージがあったようだが、この店舗では、大きな毛布でも3枚を1度に洗うことができ、洗濯から乾燥まで1時間程度で済むということだ。


■洗濯が終わるまではカフェスペースで

 また、乾燥が終わるまでの間、店内のカフェスペースで過ごすこともできる。実際、コインランドリーを利用している主婦を対象に便利だと感じたサービスについて聞いてみると「待ち時間を過ごすスペース」があることが1位となっている。そして「洗剤などが自動で出てくる」「終了を知らせるメールサービス」があることなどが上位にあがっている。

 他にも、スマ-トフォンで、その店舗の洗濯機や乾燥機の“空き状況”がわかるサービスもある。これを利用すれば、お店に行って空いてないということが防げるし、自分が何号機を使っているかを覚えておけば終了時間もわかるし便利だ。しかも、こういったサービスを行っている店舗は、全国で1000軒ほどあるということだ。


■洗濯、乾燥、たたむところまで…

 さらに、常識破りのコインランドリーまで登場している。世田谷区にある店舗は、一般的なセルフサービスのコインランドリーとしても利用できるのだが、希望すれば、洗濯と乾燥、そしてたたむところまですべてスタッフの方にお願いすることもできる。この洗濯代行サービスは、専用のバックひとつに入れられるだけ入れて1回2200円。Tシャツなら約60枚が入るという。さらに、自宅まで洗濯物を取りに来て、終わったら届けてくれる集配サービスも行っているということだ。さすがにアイロンがけはないのだが、サービスが進化しているのがうかがえる。

 最近の進化のワケについて、全国コインランドリー連合会の柄野会長は「花粉やPM2.5の影響や、共働き夫婦が増えるなど、生活スタイルの変化もあって利用客が増加している」「ただ、全体の店舗数も増えているため、集客を図ろうと独自のサービスを打ち出す流れが出てきている」と話す。


■「新たな拠点」としてのコインランドリー

 コインランドリーが使いやすく、多くの人が出入りする場所になるにつれ、地域の人たちの情報交換や交流の場にもなってきているようだ。コインランドリーを利用している人からは「『今日は嫌だね。雨で』とかって感じで、日常会話なんか弾みますよね」「会った時、『いや~しばらくじゃない』って言えるんだよね」「やっぱり、ふれあいの場じゃないけど、そういうのがある。ここはね」という声が聞かれた。

 こうして、コインランドリーがコミュニケーションの場として機能するようになれば、今後、新たな地域の拠点として、防災や防犯にも役立つかもしれない。