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どう見る?伊勢志摩サミット 注目テーマは

2016年5月24日 20:04
どう見る?伊勢志摩サミット 注目テーマは

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。24日のテーマは「サミットの見方」。日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。


■サミットの歴史
 世界経済について各国の首脳が話し合う場として始まったサミット。第1回目は1975年にフランスで開催された。日本での開催は、26日から始まる伊勢志摩サミットで6回目になる。当初は、最近一般に公開されるようになった東京の迎賓館が会場だったが、2000年には沖縄が、2008年には北海道の洞爺湖が舞台になった。

 伊勢志摩での開催を発表した時、安倍首相はこう述べた。

 「日本の美しい自然、そして豊かな文化、伝統を世界のリーダー達に肌で感じてもらえる、味わってもらえる場所にしたい」


■サミット開催ホテルは映画の舞台にも
 今回サミットの会場となるのは、志摩観光ホテル。実は、作家・山崎豊子さんの小説“華麗なる一族”が映画化された時、主人公の万俵家がお正月を過ごしたり、一族で会食する際の舞台にもなったホテルだ。

 安倍首相も子どもの頃にこのホテルに泊まったことがあるそうで、去年10月に視察したときには「伊勢エビのスープを食べてこんなにおいしいものが世の中にあるのかと思った記憶がある」と語り、おいしい日本の味を世界に発信していきたいと述べた。


■7か国が参加
 今回のサミットの参加者は、フランス、アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、カナダ、イタリアの7か国から7人。女性はドイツのメルケル首相のみで、サミット出席は11回目と今回の参加者の中で最多。最年少は、イタリアのレンツィ首相で41歳だ。こうした面々の中で、安倍首相は議長を務める。


■実際の会議の様子は?
 では、実際の会議はどうやって進められるのだろうか。会議中、部屋に入れるのは、首脳のほかはシェルパと言われる首脳の補佐役が各国1人ずつだけ。円卓を使うことが多く、テーブルにつくのは首脳のみだ。通訳も別室で行い、イヤホンを通して聞く形になっている。国会答弁のように後ろから官僚が紙を差し出すことも、発言内容を誰かに相談することも出来ない。まさに首脳の力量が問われる、国際会議でも珍しいスタイルだ。

 安倍首相は、用意された紙を読み上げるのではない自由な会議形式は好きなようだが、ある外務省幹部は、「テーマごとの時間管理も議長の仕事の1つ。議題を決めていても全く違う議題になることもある。蓋を開けてみないと分からない」と話している。


■最大テーマは“世界経済”
 今回のサミットの最大のテーマは世界経済だ。リーマンショックの後、落ち込んだ景気を支えてきた中国経済が陰りを見せる中、G7各国がこぞって政府の支出を増やして景気を刺激する「財政出動」をしよう、ということで一致できるのか。日本やアメリカは財政出動に積極的だが、ドイツやイギリスは収支バランスを重んじるため慎重だ。

 また、同じ構図が見られるのは、中国の海洋進出への対応だ。南シナ海で中国が軍事拠点化を進めていることには、日本だけでなくアメリカも反対し自制を求めているが、ヨーロッパの国々にとって中国は地理的にも遠く、経済面では密接な関係にあるため、切迫感がないのが実情だ。

 一方で、テロや難民対策などは世界的な懸念事項で、G7として行動計画などをまとまって出せるか、また北朝鮮の核実験・ミサイル開発問題に対する懸念について首脳宣言に具体的な文言を盛り込めるかどうかという点も注目である。


■議長はしたたかに
 サミットは、それぞれに事情を抱えた各国首脳が世界の安定と発展のために決意や約束を表明する大きな舞台だ。安倍首相には議長としてその議論をリードしつつ、日本の立場や関心に各国首脳の目をひきつける“したたかさ”を見せて欲しいものだ。