沖ノ鳥島「島か岩か主張しない」台湾新政権
台湾の馬英九前総統が日本の沖ノ鳥島を、「島ではなく岩」と主張していた問題について、先週、誕生した蔡英文政権は「島か岩かについて主張しない」との立場を明確にした。
この問題は先月25日、海上保安庁が沖ノ鳥島近くの日本の排他的経済水域で違法に操業していた台湾漁船を取り調べた直後から、馬英九前総統が「沖ノ鳥島は岩である」として国際法上、日本の領土とは認められないとの主張を始めたもの。
台湾当局は、23日、先週発足した蔡英文政権が「この問題について、法的な立場をとらない」ことを明らかにした。日本政府関係者によると、これは、「今後、沖ノ鳥島について、島か岩かについては主張しない」という意味合いで、馬前総統の発言以前にとっていた立場に戻った形。
また台湾当局は日本と海洋事務について協議するメカニズムを構築し、今年7月末までに最初の会合を開きたい意向も明らかにした。
蔡総統率いる新しい政権は、中国寄りの政策が目立った前政権に比べ、中国とは一定の距離を保つ一方で、アメリカや日本により近づく立場をとるとみられている。