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がん公表の生稲晃子「誰かの力になれれば」

2016年5月18日 10:54
がん公表の生稲晃子「誰かの力になれれば」

 女優の生稲晃子(48)が17日、都内で著書「右胸にありがとう そして さようなら〜5度の手術と乳房再建 1800日〜」(光文社)の出版記念講演会を開催した。

 2011年4月に乳がんであることが判明し、右乳房部分摘出(11年5月)から乳房再建(15年10月)まで5度の手術を受けた生稲が、約5年にわたる闘病生活を1冊に。
 報道陣の取材にも対応し、「同じ病気の方がどれだけ多いか。自分の経験したこと、思ったことを書くことで、同じ苦しい状況にある方が少しでも楽になってもらえたら」と執筆動機を語った。

 がんが判明した当時を「『まさか、自分が』とショックでした。『がん』という2文字は怖かったので。『死』という言葉に一番近いイメージ」と回想。
 やはり夫と長女(10)の存在が心の支えになったそうで、「最初にがんが見つかったとき、子どもが5歳だったので、『とにかく生きなきゃいけない』と思って。再発してからというのは『(子どもが)成人するまでは死んでたまるか』と思っていた」と明かした。

 現在は再発や転移などはなく経過は順調だが、薬の副作用はあるそうで、「『ホットフラッシュ』がきて、急に汗がバッと出ちゃうんです」と症状を報告。「ホルモン治療で薬を飲んでいるんですけど、乳がんの再発を抑制する薬で、女性ホルモンを減らしていく薬なので、更年期(障害)と同じ症状が強く出てきてしまうんです。今も夜中に汗で目が覚める」と会見中も時折、ハンカチで汗をぬぐいながら説明した。

 2015年11月に病気を公表するまでは同じ悩みを共有する“がん友”がいなかったため、「ネットで同じ状況の皆さんのブログを読んで励まされたりしていた。『この方は同じだ』とか、『この方はもっとつらい思いをしているから、頑張らなきゃ』とか。すごくブログに感謝しています」と、しみじみ。
 「今度は自分が恩返しをする番」と考えたそうで、「自分の経験が誰かの力になればと思い、お話をしようと思った」と公表に踏み切った理由を語った。