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中国人の男がスパイ罪で実刑 邦人も関与か

2016年4月21日 22:21

 中国の国営テレビは、中国人の男が、外国人の依頼で、軍事に関する機密情報などを漏らしたとして、スパイ罪で懲役7年の実刑判決を受けたと伝えた。依頼を受けた外国人については明らかにしていないが、日本人の関与を示唆している。

 国営中国中央テレビによると、浙江省寧波市出身の中国人の男は、2012年11月から翌13年12月までの間、数回にわたって中国の機密情報を含む軍事施設の写真などを、外国の情報機関に提供したスパイ罪に問われ、懲役7年の実刑判決を受けたという。

 提供していたのは、港に停泊している中国海警局の船などの写真のほか、船の位置関係や、尖閣諸島に関する情報もあった。

 放送の中で、判決を受けた男は、「ある国」に留学し、有名企業に就職したあと、独立して仕事を始めた頃、「外国人」と知り合い、情報提供を依頼されるようになったとしている。その「外国人」の国名は明らかにしていないが、日本人とみられる名前を伝えていて、日本人の関与を示唆している。

 中国では、2014年に「反スパイ法」を制定して、スパイ行為の取り締まりを強化しているほか、毎年4月15日を「国家安全教育日」と定め、国民に国の安全性を知るよう促し、危機感を強めようとしている。

 また最近では、大量の機密資料を外国の諜報機関に売り渡すなどしたとして、四川省の男が死刑判決を受けるなど、習近平指導部は、スパイ行為を厳罰に処す厳しい姿勢をアピールしている。