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豪快!“あらかわもんじゃ”の流儀とは?

2016年4月20日 17:06
豪快!“あらかわもんじゃ”の流儀とは?

 もんじゃと言えば、思い浮かべるのは東京・中央区の「月島」。しかし、月島以外にも「もんじゃ」と深い関わりがある場所があります。それが東京・荒川区。“あらかわもんじゃ”を調査しました。

■“あらかわもんじゃ”の特徴

 東京・荒川区の「町屋駅」。住宅街の路地などにも「もんじゃ焼き」の看板があります。“あらかわもんじゃ”は、街のいたるところにあるのが特徴。その中のひとつ「浜作もんじゃ会館」を訪ねました。

 注文したのは「浜作もんじゃ」。具材はイカやそぼろ肉、しいたけなど月島のもんじゃと大きく変わりませんが、最大の特徴は、鉄板の上での焼き方にありました。一般的には汁が流れ出ないように、具材で一度まわりに土手を作りますが、荒川では、よく混ぜてそのまま一気に焼くのが流儀。ヘラの裏にくっつけるようにすると焼き目がしっかりつき、よりおいしく味わえるそう。

■もんじゃ焼きと駄菓子の関係

 実は、もんじゃ焼きは昔から荒川区民にとても親しまれてきたソウルフードだそうで、現在、“あらかわもんじゃ”の店は58軒もあるとのこと。しかし、なぜ荒川区で「もんじゃ焼き」なのでしょう。地元の商工会議所の方によると、駄菓子の問屋街もあったため、もんじゃ焼きのお店も多かったのではないか、とのこと。

 戦後、荒川区の日暮里は大きな駄菓子の問屋街として栄えました。その影響で荒川には、多くの駄菓子屋さんもあったそう。もんじゃ焼きはその駄菓子屋さんで食べられる、子どものちょっと贅沢(ぜいたく)なおやつだったのです。

■駄菓子屋さんならではの食べ方

 今でも“あらかわもんじゃ”を食べられるという駄菓子店「としちゃん」を訪ねてみました。店内には子どもにとってはうれしい、お手頃な10円単位の駄菓子がたくさん。そして、店の奥には、もんじゃ焼き用の鉄板がありました。

 「切りイカもんじゃ」を注文してみます。かつて「もんじゃ」には、駄菓子を入れるのが定番だったといいます。店主のおすすめは「ベビースターラーメン」。今でこそ一般的になった「ベビースターラーメン」のトッピングですが、元は駄菓子屋さんで入れられたのが始まり。他にも酢漬けのイカなどを入れるのが、子どもたちの贅沢だったそう。ソースなどで豪快に味付けするのも荒川もんじゃの特徴です。

 「子どもが本当に自分のお小遣いでもって食べられるように」と話すのは、店主の越山さん。荒川区育ちの越山さんにとって、もんじゃは子どもの味方。今でも中学生以下には150円のもんじゃを提供しているそうです。