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返還合意から20年も…普天間返還は不透明

2016年4月12日 17:11
返還合意から20年も…普天間返還は不透明

 沖縄のアメリカ軍普天間基地の全面返還に日米が合意してから、12日で20年になった。基地の移設先をめぐって政府と沖縄県の溝は埋まらず、普天間返還への道筋は不透明なまま。現地から佐藤拓記者が伝える。

 普天間基地をのぞむ宜野湾市の高台。12日も朝からオスプレイやヘリコプターが頻繁に、離着陸の訓練をしていた。20年前の12日、当時の橋本首相とモンデール駐日大使が、普天間基地の全面返還に合意した。しかし、返還の条件とされた沖縄県内への移設に、県民は強く反発し、移設計画も二転三転。名護市辺野古への移設反対を掲げる翁長知事が2014年に就任して以降は、移設工事をめぐって国と県が裁判で争う状況になった。

 裁判は先月、和解したが、辺野古移設断念を求める沖縄県と辺野古が唯一の解決策だとする政府との対立は続いている。

 沖縄県・翁長雄志知事「政府へは普天間飛行場の固定化を絶対に避け、積極的に県外移設に取り組むよう強く要望いたします」

 菅官房長官「日米同盟の抑止力維持と普天間飛行場の危険除去をあわせたときに、辺野古移設が唯一の解決策だと考えている」

 一方、普天間基地を抱える宜野湾市の住民からは、いら立ちや落胆の声がもれる。

 市民「結局はたぶん基地はなくならないと思います。慣れっていいますかあきらめといいますか」「20年もたつのですか。期待はもう薄いですね、もう変わらないのかなとか」

 普天間基地の返還合意から20年。騒音や危険と隣り合わせの住民の生活を置き去りにして、時間だけが過ぎていく状況を見直すべきときに来ている。