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メルトダウン「マニュアルの存在知ってた」

2016年4月12日 1:38
メルトダウン「マニュアルの存在知ってた」

 東京電力・福島第一原発事故で、核燃料が溶け落ちる炉心溶融、いわゆる「メルトダウン」が起きたと判断できるマニュアルが存在していた問題で、東京電力の幹部の1人が、「マニュアルの存在は知っていた」と明らかにした。

 原発事故当時、東京電力には「原子炉内にある核燃料が5%以上損傷すれば、メルトダウンと判定する」と明記したマニュアルが存在していて、それに沿っていれば、事故発生の4日目には「メルトダウン」と判断できたはずだが、東京電力が「メルトダウン」を公表したのは事故の約2か月後だった。

 東京電力がマニュアルの存在を明らかにしたのは、事故から5年近くがたった今年2月で、「これまでマニュアルの存在に気づかなかった」などと説明していた。

 しかし、東京電力原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理は11日の会見で、「自分はマニュアルの存在を知っていた」と明らかにした上で、「原発事故当時は違う業務を担当していて、(メルトダウンかどうか)判断する立場ではなかった」と釈明した。

 この問題については、東京電力が弁護士3人で構成する「第三者検証委員会」を立ち上げていて、マニュアルの存在に気づかなかった経緯などについて調査している。