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買収条件変更 シャープは再生できるのか?

2016年3月30日 16:43
買収条件変更 シャープは再生できるのか?

 ホンハイは、買収条件を有利に変更したことになるが、したたかな郭会長のもとで、シャープはうまく再生できるのか?シャープ東京支社前にいる経済部の安藤佐和子記者が伝える。

 シャープからみれば、いったん決まったかにみえた出資額を引き下げてくる郭会長の大胆な手法に、とまどいを隠せない1か月だった。

 新たに決まった契約概要では、出資額が1000億円減額される他は、金融機関による新たな3000億円融資枠などがもうけられる。

 今回、シャープが振り回された郭会長は、今度はシャープの親会社のトップとなるわけで、関係者はその手腕に期待もしている。郭会長が、シャープ買収を成功させるために、水面下で日本の政府関係者やシャープの取引銀行トップなどにアピールしてきたことは、自分自身の経営手腕。実際、2012年からシャープと共同経営している大阪・堺の大型液晶会社も、黒字転換した実績がある。

 また、減額されたとはいえ、出資には大きな意味がある。シャープの従業員は、「この2年は全く時が止まったようだった」と述べていて、これまで我慢してきた研究開発が、ホンハイからの出資で進むと期待している。

 一方で、シャープが期待している事業の売却せずに一体再生、雇用は最大限守る、といった甘い構想では、抜本的な改革はできず、再生まではいばらの道になりそうだ。