来年度予算案は２９日夕方、成立する見通しで、参議院予算委員会では採決に向けた締めくくりの質疑が行われている。

　共産党の小池政策委員長は、今年の春闘で賃上げが思うように進んでいないとしてアベノミクスは破綻していると追及した。

　小池政策委員長「私は今春闘、高い水準の賃上げですかと聞いたんです」

　安倍首相「これは今まで２％を超えるというものについては１５年間、ほぼ３年間連続超えるというのはなかった。つまり、今年の春闘もその水準を維持していると。高い水準を維持していると、こう考えるわけでございます」

　安倍首相はこのように述べて、賃上げは順調に進んでいると反論した。

　予算案は２９日夕方の参議院本会議で採決され、可決・成立する見通しだが、安倍政権は今後、当面の経済対策に軸足を移す。

　政府・与党は補正予算案の編成も視野に新たな経済対策の検討を始めていて、５月の伊勢志摩サミットの場で公表することも検討されている。さらに、来年４月の消費税率１０％への引き上げ見送りも検討に入っていて、安倍首相は今後の経済状況も見ながらサミット前後に最終判断するとみられる。