「おふとん」が子どものスマホ依存を救う?
インターネット上で話題となった言葉を毎回一つ取り上げ、取材する「Hot Word」。17日は「スマホのおふとん」
最近はスマートフォンが広く普及し、中学生や高校生もツイッターやLINEなどSNSを使っている。しかし、睡眠時間や勉強時間を削ってまでスマホに夢中になる中高生も多いのが現状で、学校の先生など教育関係者の間では、どのようにスマホと子どもたちが向き合えばいいのか、頭を悩ませている。
岡山県の教育委員会では「午後9時以降は、保護者がスマホを預かりましょう」という取り組みを進めている。ところが、言葉で訴えても、子どもたちには、なかなか広まらない。「親にスマホを預けたらメールなどを見られてしまうのでは」と、子どもたちは不安になる。そこで、あるチラシが登場した。
「夜になったら、スマホもおふとんへ」
チラシには“スマホがふとんで寝ている”写真が載っている。これは、自分が寝る時もスマホも寝かせることで、子どもたちが夜遅くまでスマホを使わないようにしようと訴えたチラシだ。
チラシを作ったのは、岡山県立矢掛高校の川上公一校長。試しに作ったチラシをフェイスブックに公開したところ、ネットで話題となった。
キッカケは、高校の女子生徒の父親が「スマホのおふとん」の写真をフェイスブックに投稿したことだ。生徒会やPTAが試作チラシを作り直し、3月に行われる入学者説明会で配る準備を進めているという。
「スマホのおふとん」は、東京都渋谷区にある「奇譚(きたん)クラブ」が作ったカプセル自動販売機の商品で、2014年に発売され、これまでに累計80万個余りを売り上げた人気商品だ。
奇譚クラブの広報担当者によると、「スマホのおふとん」の開発コンセプトは「スマホだって人間と一緒に生活しているのに、なぜ、いたわってあげないんだ。スマホにも愛情を持ってほしい」だった。
当然、このような形で使われることは想定してなかったわけだが、話題となったことについて「こういう使われ方もあるんですね」と非常に驚いていた。
また、チラシが話題になって、各地の学校から「学校の名前入りのおふとんを作ってくれませんか」という問い合わせも多数来ているという。