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「軽減税率」国会で本格審議スタート

2016年2月17日 20:44
「軽減税率」国会で本格審議スタート

 国会では17日、来年4月の消費税10%への引き上げに合わせて導入する予定の軽減税率について、本格的な審議が始まった。

 公明党・伊藤渉議員「軽減税率という形である一定のものは(消費税を)8%に軽減することは経済活動においても、非常に大きい影響を及ぼすであろう」

 麻生財務相「(軽減税率は)低所得者への配慮という点が趣旨であります」

 軽減税率をめぐって政府が提出した法案では、「酒、外食を除く全ての飲食料品」については、消費税10%への引き上げ後も税率を8%に据え置くとしている。

 ただ、どこまでを「外食」と定義して、軽減対象とするか、“線引き”には疑問点も残されている。

 例えば、ファストフード店でテークアウトした場合は、軽減対象となり税率は8%。店内で飲食した場合は「外食」扱いとなり税率は10%。ただ、もし、テークアウトで購入した商品を、その後、店内で食べた場合は、どうなるのか?

 次は、「屋台」でのケース。イスやテーブルがある屋台は「外食」と見なされ、税率10%。一方、イスのない屋台の場合は、仮にその場で食べたとしても、税率は8%となる見通し。

 野党側は17日、こうした線引きの問題について、追及した。

 おおさか維新の会・丸山穂高議員「今回の軽減税率、かなり線引きがわかりにくい」「(コンビニでコーヒーを)買ったけども、外に持って帰ると言って買ったけど、イートインで飲まれる方」

 財務省担当者「事後確認まですることは非現実的である。販売時点で提供関係は完結するという整理」

 また、もう一つ大きな論点は“財源”の問題。軽減税率導入で税収は約1兆円減ることになるが、このうち、確保できているのは、4000億円のみ。残りの6000億円については、消費税率を引き上げる予定の、来年4月までに探す方針だ。

 共産党は17日、そもそも減収額が1兆円となる根拠についてただした。

 麻生財務相「基本的に1兆円というものの減収になると考えて安定した恒久財源を探すということをやってますので」「1兆円というものが最も信頼できる数字。これを埋められるものを考えておかないと後々のいわゆる財政なり予算というものが極めて厳しいことになるだろうと思っています」

 共産・宮本議員「改めて精査していただいて、なぜこれが正しいと言えるのか、政府としての統一見解を出していただきたい」

 また、野党側は、このまま制度を導入した場合、飲食料品を扱う事業者に混乱や負担が生じるなどの課題も指摘している。

 生活に大きく関わる軽減税率。政府は3月中の法案成立を目指す考えだが、今後も、激しい議論が続きそうだ。