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発射4日後にミサイル映像公開 なぜ?

2016年2月11日 12:55
発射4日後にミサイル映像公開 なぜ?

 北朝鮮の国営メディアは11日午前、人工衛星と称する長距離弾道ミサイルを7日に発射した際の映像を初めて放送した。映像公開はミサイル発射から4日後だったが、その狙いはどこにあるのか。ソウル支局・藤田賢治記者が報告する。

 今回の発射映像の公開の遅れは、「北朝鮮が時間をかけて発射の効果を最大限にアピールするためのものだった」との見方が出ている。

 前回2012年12月の発射の際は、午前10時前に発射し、半日後の午後10時過ぎに映像を公開している。しかし、今回は発射4日後で、前回に比べて大幅に遅いが、その分、編集や映像が効果的に行われたと言えそうだ。

 一連の映像の中では、韓国のニュース番組が7日に発射について報じている映像も使われている。韓国の北朝鮮専門家は、こうしたことから「北朝鮮が韓国や国際社会の反応を見極めた上で、映像の編集にも力を入れて発射の効果を最大限にアピールできる編集を行った可能性がある」と分析した。

 一方、韓国政府が10日に操業を全面的に中止した、南北が共同運営する開城工業団地では、韓国企業の関係者が撤収作業のため、あわただしく出入りしていた。

 韓国政府によると、開城工業団地を通じてこれまで北朝鮮は600億円ほどの収入を上げていて、その一部がミサイルや核の開発に使われたとみられている。

 操業中止には、北朝鮮にとっての貴重な外貨収入源を断ち切る狙いがある。韓国政府は、操業の再開には北朝鮮が核・ミサイル開発に関する懸念を解消する必要があるとの立場で、中断は長期化するものとみられる。