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涙をにじませ…甘利経済再生相が閣僚を辞任

2016年1月29日 4:03
涙をにじませ…甘利経済再生相が閣僚を辞任

 甘利経済再生担当相が閣僚を辞任した。金銭の授受をめぐる疑惑で、秘書が受け取ったお金を個人的に使っていたことなどがわかり、監督責任を取っての辞任。

 甘利前経済再生相「今般の私をめぐる週刊誌報道によって、国民の皆さまにご心配をおかけしましたことについて、おわびを申し上げます」

 28日に会見した甘利前経済再生相は、金銭の授受をめぐる疑惑で、自らが建設会社の総務担当者から合計100万円の現金を受け取っていたことを認めた。これについては政治資金として適正に処理したということだが、秘書がこのほかに受け取った現金のうち300万円を個人的に使っていたことを明らかにした。

 甘利前経済再生相「私を支える秘書の問題で、国民の皆さまに対し、大変はずかしい事態を招いてしまった事実が判明しました。本来、安倍政権を支える中心的立場の人間が、逆に安倍政権の足を引っ張るという、安倍内閣の一員としての閣僚・甘利明にとっては、誠に耐え難い事態であります」「国会議員としての秘書の監督責任、閣僚の責務、政治家としての矜持(きょうじ)に鑑み、本日ここに閣僚の職を辞することを決断しました」

 甘利前経済再生相は、自身の金銭をめぐる疑惑が国会での予算案の審議などを停滞させていることから、予算成立の阻害要因を取り除かなくてはならないとして、涙をにじませ、時折、声をつまらせながら辞任する考えを表明した。

 甘利前経済再生相が力を尽くしてきたTPP(=環太平洋経済連携協定)交渉は来月4日にニュージーランドで各国の署名式が行われるが、この署名式には「出たかった」と無念さをにじませた。