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甘利氏辞任で政権に影響は? 政治部長解説

2016年1月29日 1:28
甘利氏辞任で政権に影響は? 政治部長解説

 甘利経済再生相は28日、金銭の授受をめぐる疑惑について説明する会見を開き、詳細な調査内容を公表した後、経済再生相を辞任すると表明した。安倍内閣の中でも要の閣僚と言われた甘利氏の辞任は、安倍政権にどのような影響があるのか。伊佐治健政治部長が解説する。

 甘利氏は安倍首相を支える屋台骨の一人だった。安倍政権は実質、菅官房長官、麻生財務相、甘利経済再生相との4人で運営してきたと言っても過言ではない。

 アベノミクスの要として、経済政策はもちろん、ハイレベルな政治判断にも関わってきた。14年の電撃的な衆議院解散の直前も、甘利氏は安倍首相に消費増税を先送りした場合のメリット・デメリットを分析した文書をこっそり渡すなど、相談役となってきた。精神安定剤とも言われてきた。

 後任の石原氏はベテランだが、TPP(=環太平洋経済連携協定)交渉の場ではニューフェース。甘利氏と同じようにはいかない。財政再建を重視し、経済政策についての考え方も温度差がある。

 これから通常国会で予算審議入りする。論戦が本格化していく中での辞任は、国会審議にどのような影響があるのか。安倍政権の強みは、抜け目なくつくられた政治スケジュールにあるが、狂いが生じつつある。今年は伊勢志摩サミットがあって、国会日程は窮屈。そんな中で、国会召集日を早めるなどして衆参ダブル選挙も可能になるようなカレンダーが組んであった。

 ところが、入り口の予算案の審議入りが遅れつつあり、3月末の年度内成立も危うくなりかねない。こうした日程が崩れるようだと、3年間おおむね順調だった安倍一強の政権運営の雲行きが怪しくなる。