がん“10年生存率”部位により再発転移も
国立がん研究センターは、がん患者を治療によってどれくらい救えたかを示す「10年相対生存率」を初めて公表した。がんの部位によっては、治療から5年以上たってから再発や転移があることが裏付けられたという。
「10年相対生存率」とは、がんと診断された人が10年後に生存している割合をがんになっていない人と比較したもの。がんの医療の質を評価する指標のひとつで、がん患者を治療によってどれくらい救えたかを示している。
これまで5年のデータはあったが、国立がん研究センターは全国16の病院で約3万5000例の「10年相対生存率」をまとめた。
部位別では甲状腺がんが約90%と最も高く、次いで前立腺がんの約84%だった。これに対して、乳がんは5年後は約88%だが、10年後は約80%に、肝臓がんは約32%が約15%に下がるなど、部位によっては治療から5年以上たってから再発や転移があることがわかったという。
国立がん研究センターは、「がん治療の指標のひとつとされる5年後以降も定期的な検査を行うことが重要」としている。