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膀胱がん発症 厚労省に労災認定を求める

2016年1月15日 21:52
膀胱がん発症 厚労省に労災認定を求める

 福井県の化学工場に勤める従業員が「膀胱(ぼうこう)がんを発症したのは工場で扱う化学物質の影響だ」として、厚生労働省に労災認定を求めた。

 労災を申請しているのは福井県の化学工場で働くいずれも56歳の男性2人で、15日、厚生労働省を訪れ、「去年、膀胱がんを発症したのは、工場で扱った化学物質の影響だ」として、労災の認定と再発防止を求めた。

 この化学工場では、従業員およそ40人のうち、この2人を含む5人の従業員と元従業員が膀胱がんを発症している。

 5人が長期間扱ってきた「オルト-トルイジン」という化学物質については、産業衛生学会などが発がん性を指摘している。「オルト-トルイジン」を扱う場合、企業には発がん情報などの従業員への配布が義務づけられているが、この工場では4年半前まで、実施されなかったという。

 厚生労働省は「オルト-トルイジン」と膀胱がんとの因果関係を調べるほか、この物質を扱う他の工場で膀胱がんの例があるかを調べている。