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手帳で身につく「スケジュール管理術」

2016年1月13日 3:56
手帳で身につく「スケジュール管理術」

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。12日は、「スケジュール管理術」をテーマに日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。


 今年こそは「時間を有効に使いたい」と思っている人も多いことだろう。去年、日本能率協会マネジメントセンターが行った調査では、スケジュール管理にメーンで使っているものは1位が手帳で38.1%、2位がスマートフォンで26.6%、3位がカレンダーで18.0%となっている。スマホが普及してきたものの、依然として手帳の方が多い。予定を一覧するには手帳が便利なのかもしれない。


■全国852校が採用した中高生向けの手帳

 手帳にはいろんな種類がある。家族一人一人の予定が書き込めるママ向けの手帳や、今週の目標や勉強時間を書く欄がある中高生向けの手帳というものもあり、子どもの教育現場にも手帳が取り入れられている。

 中高生向けの手帳「NOLTYスコラ」は、生徒が使う手帳として全国852校が採用していて、25万人以上の中高生が使っている。山形県立山形西高校では、生徒自身が「時間の使い方を自己管理できるように」と、14年からこの手帳を導入した。


■「進んで勉強をするという意識づけができた」

 山形西高校では、生徒が手帳で毎日のスケジュールを管理し、担任の先生がコメントを書き込んでいく。1年生の菅井ゆり佳さんは、手帳を使い始めてこう変わったと言う。

 菅井さん「自分から進んで勉強をするという意識づけができて、とてもよかったと思います」「先のことを自分で予定を立てることが、まず、できるようになったので、そこは変わったかなと思います」


■活用法を工夫して「手帳甲子園」最優秀賞に

 菅井さんの手帳にはびっしりと文字が並んでいる。部活などの予定だけではなく、いつ何を勉強するか細かく書き込まれている。工夫されているのが、例えば緑のライン。月火の朝に勉強する予定にしていたのが、それができなかった場合に緑のラインを引いて、代わりに木金の夜に同じ緑のラインを引いて、できなかった分の勉強をしようと計画して実行したという。

 この手帳を開発・販売する会社は先月、手帳の活用法などを競う「手帳甲子園」を開き、菅井さんは、隙間の時間を有効に活用したなどとして、個人部門で最優秀賞に選ばれた。


■就学前の子どもにも「親子で手帳を」

 さらに、手帳はもっと小さいうちから使うことを提案している人もいる。「こども手帳術」という方法の講習会は、講師の星野けいこさんが考案したもので、3歳頃から親子で手帳を使う方法を教えている。

 就学前の子ども向けの手作りの手帳は、バインダーの左側が「やることリスト」で、幼稚園や保育園のカバンに入れるものや朝やることを親が付せんに書いて貼っておく。そして、実際にご飯を食べたり、歯磨きができたら、右側の「できたことページ」に子どもが付せんを移動させていく。これなら子どももゲーム感覚で楽しめそうだ。

 さらに、小学校に入った後は付せんを子どもが自分で作って、朝起きてから夜寝るまでの予定を立てていく。例えば、午後4時におやつを食べる、午後5時前には宿題をするといったように、時間ごとにやることを考えていけば、生活習慣が身につき、自主性が育つという。


■手帳で身につく「時間を有効に使う意識づけ」

 講師の星野さんは毎晩、娘2人と手帳を開いてミーティングをすることで、親が「忘れ物は?宿題は?」などいちいち言う回数が減り、子育てが楽になったという。

 星野さんは「小さい頃から毎日手帳を使う習慣をつければ、大きくなってから時間を有効に使う意識づけにつながる」と話している。


■ポイントは「予定を実行へ」

 きょうのポイントは「予定を実行へ」。私は夏休み前など詳細な計画表を作っても、それで満足して、結局、休みの終わりに宿題に追われるという失敗をたくさんしてきた。そうならないために、予定を立てたらそれを実行して、自分の生活をデザインする楽しみも味わうようにしたい。