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韓国国防省関係者「水爆ではない」と分析も

2016年1月6日 18:30
韓国国防省関係者「水爆ではない」と分析も

 北朝鮮が6日、初めての水素爆弾の実験を実施し、成功したと主張した問題で、突然の核実験の意図などについて韓国政府は分析を急いでいる。

 北朝鮮は日本時間6日午後0時半に朝鮮中央テレビで「特別重大報道」として「水爆実験に成功した」と伝えた。しかし韓国の国防省関係者や情報機関などは今回の核実験は水爆実験ではないとみている。6日午後に情報機関から説明を受けた国会議員が取材に応じた。

 情報機関の説明を受けた議員「北朝鮮は水素爆弾としているが、測定値でみると水爆でない可能性がある」

 韓国国防省の関係者も水素爆弾の実験にしては爆発の規模が小さいとして「水爆ではない」と分析している。

 一方、朴槿恵大統領は6日午後、北朝鮮を厳しく批判した。

 「北朝鮮に今回の核実験に対して必ず相応な代価を払わせなければならない」-朴大統領はこのように述べた上で国連の安全保障理事会での制裁決議にむけて働きかけると述べた。

 今、核実験を行ったとみられる背景には何があるのだろうか。北朝鮮では今年5月に36年ぶりとなる朝鮮労働党の党大会が開催されるが、核実験はこの行事を前に国威発揚を狙ったものとみられる。

 また、6日午後に入った平壌市内のきょうの映像では、市内の大型モニターに水爆実験の成功を伝えるニュースが流され、それを市民らが見ている様子が映っている。

 平壌市民「(水爆の保有は)主権国家の合法的で自衛的な権利であり、誰も是非を問えない正当なる我々の措置である」

 一方で、金正恩第1書記が核実験を行うために先月15日と日付がある書類にサインする様子を朝鮮中央テレビが放映した。この3日前には金第1書記の中国訪問にむけた地ならしとみられていた女性音楽団「モランボン楽団」が何らかの原因で公演直前になって北京から北朝鮮に戻っている。金第1書記が北京公演中止の直後にサインしたことをあえて公表することで、核実験強行の背景に中国との関係があることをほのめかしている可能性もあるとみられる。