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普天間問題 政府と沖縄の対立大きなヤマ場

2016年1月2日 22:29

 沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題をめぐる政府と沖縄県との対立は今年、法廷での争いも含みながら大きなヤマ場を迎える。

 普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐっては、沖縄県の翁長知事による埋め立て承認取り消し処分を国が県に代わって撤回する「代執行」に向けて国が沖縄県を訴えた裁判が、福岡高裁那覇支部で継続中だ。

 一方、沖縄県は知事の埋め立て承認の効力を国交相が一時停止する決定をしたのを不服として、昨年末、那覇地裁に抗告訴訟を起こした。今後は2つの裁判で、国と県とが激しく主張を闘わせることになる。


【辺野古の工事は】
 一方、辺野古では国が海の埋め立てに向けた陸上部分の工事に着手しており、早ければ年明けにも沿岸部で護岸の建設が始まる見通し。

 辺野古のアメリカ軍「キャンプ・シュワブ」のゲート前では2014年夏に始まった移設に反対する市民らによる座り込みが今も続いており、海上でも船やカヌーでの抗議行動が行われている。今後、工事が本格化すれば、警察や海上保安庁と市民との衝突が激しさを増すおそれがある。


【1月24日に宜野湾市長選】
 また、普天間基地を抱える宜野湾市では、市長選挙が1月24日に投開票される。辺野古移設を進める自民党や公明党に支援される現職と、翁長知事を支える県政与党が後押しする新人との一騎打ちになる公算が大きく、結果は普天間移設問題の行方にも影響しそうだ。