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五輪・新祝日・選挙権…もりもりの2016

2015年12月26日 4:23
五輪・新祝日・選挙権…もりもりの2016

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。25日は、「2016年世界はこう変わる」をテーマに、来年の予定から“世界がどう変わっていくのか”その動きを、日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。

 ■マイナンバー・サミット・電力自由化…上半期に目白押し

 まずは2016年上半期の予定から。1月は、マイナンバー制度がスタート。4日からは通常国会が始まる。この国会では消費税引き上げに伴う軽減税率を導入するための法案など、注目の政策が審議される。

 そして、3月11日には、東日本大震災から5年という節目を迎える。4月1日からは、電力小売りが全面自由化され、これまで地域ごとの独占だった電力会社を、家庭でも自由に選べるようになる。

 5月26日からは伊勢志摩サミット、6月19日には改正公職選挙法が施行され、選挙権が18歳以上に引き下げられる。

 ■米の現役大統領、初の広島・長崎訪問なるか

 これらの予定の中でまず注目したいのが、「伊勢志摩サミット」だ。日本が議長を務めるのは、2008年の洞爺湖サミット以来8年ぶり。主な課題としては、世界経済、とりわけ原油価格の推移や、陰りが見える中国経済、また、テロ対策についても、会場周辺の警備はもちろんのこと、日本がリーダーシップを発揮してまとめていかなくてはならない。

 そして、サミット本体からはちょっと外れるが、アメリカのオバマ大統領が来日する際、広島・長崎を訪問するかどうかも注目だ。もし訪問すれば、アメリカの現役大統領としては初めてとなるため、日本の戦後の大きな節目となる。

 ■「選挙権が18歳以上」に引き下げ

 続いては、私たちの国のあり方を変えることになるかもしれないのが、「選挙権が18歳以上」に引き下げられること。これまで選挙権があるのは「20歳以上」だったが、7月の参議院選挙から「18歳以上」へ引き下げられる。これによって、18歳と19歳のおよそ240万人が、新たに有権者となる。

 自民党は『18歳選挙権対策部』という部署を新たにつくり、大学生と意見交換などをしているほか、民主党は23日、10代の若者の政治に対する疑問に答えるイベントを開くなど、各党、若い世代の支持をいかに取り込むか、知恵を絞っている。

 若い世代が政治に関心を持つようになれば、政治も“これからの社会を担う若い世代のことを意識した政策”を充実させ、それを受けて、若い世代の投票率も上がる、そういうプラスの循環が生まれることを期待したい。

 ■祝日も増える下半期

 続いて、下半期のニュース。8月5日からはブラジルのリオデジャネイロでオリンピック、9月7日からはパラリンピックが開かれる。8月11日は「山の日」という新たな国民の祝日になる。祝日が1日増えるのだ。

 そして11月7日には、築地市場が移転して豊洲市場がオープン、8日はアメリカ大統領選挙の投開票日となる。

 ■注目の米大統領選挙

 焦点は、アメリカ初の女性大統領が生まれるのか、はたまた、オバマ大統領が2期務めた民主党政権から、共和党に政権交代が行われるのか。

 アメリカは民主党と共和党の2大政党制だが、民主党の大統領候補は、ヒラリー・クリントン前国務長官でほぼ決まりと言われている。もし、ヒラリーさんが大統領になれば、初の女性大統領、そして、ビル・クリントン元大統領とあわせて初めて夫妻で大統領経験者ということになる。

 一方、共和党は、このところ「イスラム教徒のアメリカへの入国を禁止すべきだ」などの発言が注目されているドナルド・トランプ氏。不動産事業で財をなした大金持ちだ。大方の見方は、過激な発言を繰り返すトランプ氏が大統領候補になることはないだろうというものだが、最近の世論調査で後に続くテッド・クルーズ上院議員、マルコ・ルビオ上院議員がどこまで伸びるか。テロ対策・移民政策が今回の大統領選の大きな争点となりそうだ。

 ■リオ オリンピック・パラリンピック

 そして、2016年で忘れてはいけないのが「リオオリンピック・パラリンピック」。今回のオリンピックから、ゴルフが112年ぶりに正式種目に復活し、また7人制ラグビーが仲間入りを果たす。

 今年は、15人制男子の日本代表が、ワールドカップで南アフリカを破る金星をあげた。ラグビー人気に火がついたこともあり、男子も女子もオリンピック出場を決めている7人制ラグビーでも活躍が期待される。

 南米初の開催となる今回のオリンピックは、日本としても5年後に東京オリンピック・パラリンピックを控えていることなどから、いつも以上に目の離せない大会になりそうだ。

 ■前を向いて

 今年最後のポイントは「前を向いて」。パリの同時多発テロや、日本の災害など、つらいニュースの多い1年だったが、来年は前を向いて、明るい気持ちで過ごせる1年になることを願いたい。