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結婚は?体重は? サンタの秘密バラします

2015年12月23日 4:31
結婚は?体重は? サンタの秘密バラします

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。22日は、「サンタクロース」をテーマに日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。

 ■公認サンタ、体重目安は110キロ?

 「サンタクロースって本当にいるの?」そんな質問を受けたこと、一度はあるのではないだろうか? 実は「公認サンタクロース」というものがある。これは、グリーンランドに住むサンタクロースをお手伝いしようと、1957年に生まれた制度で、「グリーンランド国際サンタクロース協会」の試験に受かれば、公認サンタクロースになることができる。

 試験内容もユニークだ。まず、煙突登りなどの体力測定。次に、長老サンタクロースによる面接。これは英語かデンマーク語で行われる。そして、身だしなみなどの審査。最後に全員の前で宣誓文の朗読をすることになっている。

 ちなみに、試験が受けられる条件は、結婚していることや、子どもがいることが望ましいとされ、また、サンタクロースとしての活動経験があること、そして、ふさわしい体形であることが求められる。体形は、衣装などすべて含めて体重110キロ以上が目安だそうだ。

 ■サンタが会議…議題は「良い子と悪い子の見分け方」

 実は、日本にも、この厳しい試験にパスした公認サンタクロースがいる。名前は、パラダイス山元さん(53)。日本で唯一の公認サンタクロースだ。本業はラテン音楽家。1998年、35歳の時に史上最年少でアジア初の公認サンタクロースに認定された。

 公認サンタクロースになると、毎年7月にデンマークで開かれる「世界サンタクロース会議」に出席しなければならない。2011年の会議には、世界中から120人以上のサンタクロースが集まった。

 会議の議題は、良い子と悪い子の見分け方、時代に合ったプレゼントなど。日本製のゲーム機の値段が高すぎるとして、プレゼントにふさわしいかどうか議論になったこともあるそうだ。山元さんは、公認サンタクロースがめざしているのは、子どもたちに幸せを運ぶことだと話していて、家庭で暮らせない子どもや、病気の子どもたちのため、施設や病院に贈り物を届けている。

 公認サンタクロース・パラダイス山元さん「すごい幸せな子どもたちもいれば、すごい困っている子どもたちもいる。ずっとずっと、大人になっても、サンタさんを信じる気持ちを持ってもらいたいなっていうのが、私が思ってること」

 ■サンタの服はなぜ赤い?

 ところで、サンタクロースがなぜ赤い服を着ているのか、ご存じだろうか。実は、サンタクロースのモデルとなった子どもを守るキリスト教の司教・聖ニコラスが身に着けていた服の色にちなんでいる。赤は「保護」や「慈愛」を象徴する色とされている。

 ■サンタはほかにも

 サンタクロースはほかにもいる。直接家に来てくれるサンタクロースもいて、NPO法人「チャリティーサンタ」では、去年までにおよそ1万3000人の子どもにプレゼントを届けてきた。

 代表の清輔夏輝さんは、「『あなたも誰かのサンタクロース』を合言葉に、活動を通して集まった寄付は途上国や東北の被災地の子どもたちのために使っています」と話している。

 ■幸せの連鎖

 きょうのポイントは「幸せの連鎖」。1897年、アメリカの新聞「ニューヨーク・サン」に8歳の少女から手紙が寄せられた。「友達がサンタクロースはいないと言います。サンタクロースはいるんですか?」と。これを読んだ記者は書いた。「サンタクロースはいます。愛とか思いやり、いたわる気持ちがあるように、サンタクロースもちゃんといます」

 少女はのちに学校の先生になって、子どもの人権を守る活動に生涯を捧げたそうだ。誰かが誰かを思う幸せの連鎖、それこそがサンタクロースのメッセージではないだろうか。