北海道が発注した工事で、旭化成建材が、隣接する別の工事のデータを流用した事実が新たにわかった。横浜市のマンション工事でデータを改ざんした担当者の関与はなく、別の人物が担当したという。

　北海道建設部・長浜光弘建築局長「我々がデータを見比べたときに、切り貼りしている状況が見受けられた。旭化成建材に確認したところ、転用したと認めざるを得ないと」

　データ流用が分かったのは、２０１０年から１１年にかけて増築した釧路市の道営住宅。北海道は、旭化成建材が杭（くい）打ち工事を施工した北海道の発注物件について、独自の調査を進めていたが、その結果、２８日夜、杭３１本のうち１本について、隣接する工事のデータを流用していた事実が新たにわかった。

　また、今回のデータを流用した担当者は、横浜市でのデータ改ざんを認めた男性とは別の担当者であることがわかった。

　長浜建築局長「旭化成建材の発表では、横浜の担当者が関わった物件は北海道にはない。普通に考えれば、横浜の人じゃない別の人が北海道でやっているということ」

　今回の流用に関し、旭化成建材は「客観的に見てデータの転用があったと認めざるを得ない。安全性に問題はない」とコメントしている。

　北海道は旭化成建材に対し、建物の安全性の確認と担当者の流用に至った経緯について早急に調査・回答するよう求め、残りの調査についても早急に行いたいとしている。