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若い人に増加「スマホ老眼」の実態を探る

2015年10月28日 19:38
若い人に増加「スマホ老眼」の実態を探る

 近くの物が見えにくかったり、文字がぼやけたりする「老眼」のような症状を感じる20代や30代の若い人が増えている。その原因の一つとみられるのが、急速に普及しているスマートフォンだ。「スマホ老眼」とも言われる症状の実態と予防法を取材した。

 20代や30代の若者に、スマートフォンを使っていて目の悩みがないか聞いた。

 「目がかすんだり、文字がぼやけて見えたりしますね」
 「焦点が合わないなという時も、たまにあります」
 「目薬をささないと見ていられなかったり」

 「文字が見えづらい」といった症状を感じる若者が多くいた。

 こうした症状について、眼科のあまきクリニック・味木幸院長は「(スマホを)連続的長時間使いすぎることによって“スマホ老眼”に陥っている。目の調節力の使いすぎですね。足でも歩き疲れると、歩きたくないとか、歩けない状態になるのと同じで、ピント合わせができなくなる状態ですね」と話す。あまきクリニックには、症状を訴える患者が月に50人は訪れるという。

 スマートフォンの画面を見続けるなど目を酷使すると、ピントを合わせる筋肉が凝っていく。そうすると、老眼のように一時的にピントの調節ができなくなる症状、これがいわゆる「スマホ老眼」だ。老眼が始まるとされる40代ではない、30代以下の若者の間で増えてきている。

 スマートフォンでのインターネットの利用時間は年々増加していて、去年の休日の利用時間は全世代平均で約100分。年代別でみると、休日の利用時間は20代で148.9分、10代で193.5分に及ぶ。

 眼鏡光学出版の調査によると、老眼の症状を訴える若者は2010年の調査では0.3%だったが、2014年には5.1%に増加している。

 東京・港区にある眼鏡店「DOCK BY メガネスーパー」では、「スマホ老眼」の症状がある来店者への対応として、近くを見るために使った目の調節力などを測定し、“眼年齢”を測定している。

 「スマホ老眼」にならないためにはどうしたらいいのか。味木院長は「連続使用を避ける。断続にして休憩を入れる。少し離しがちにしていただいて、雑誌を読むとか読書の距離にしていただくほうがいいと思います」と話している。