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シベリア抑留資料登録 露書記が日本批判

2015年10月15日 23:56

 ロシア政府のユネスコ(=国連教育科学文化機関)の書記は14日、シベリア抑留の資料が「世界記憶遺産」に登録されたことについて、「ユネスコに政治問題を持ち込んだ」との認識を示し、登録を申請した日本を批判した。

 第2次世界大戦後に旧ソ連のシベリアに抑留された人々の過酷な生活ぶりに関する日記やスケッチなどの資料について、日本は、歴史的に貴重な古文書などを後世に伝えるユネスコの「記憶遺産」への登録を申請し、今月9日、登録が決まった。

 これを受けて、ロシア政府のユネスコ委員会のオルジョニキゼ書記は14日、ロシア通信に対し、日本に登録の申請をしないよう働きかけていたことを明らかにした上で、「2国間で解決するべき政治問題をユネスコに持ち込むべきではなかった」と述べ、登録を申請した日本を批判した。今後は、外交ルートを使って対応するとしている。

 また、オルジョニキゼ氏は、中国が申請した南京事件をめぐる資料の「記憶遺産」への登録についても触れ、「中国の悲劇であると理解できるが、パンドラの箱を開けることになる」と述べ、2国間で解決するべきとの考えを強調した。